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機嫌取り
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背中を擦る音と、鳥の囀り。
それだけが部屋に響く静かな朝だった
いつも環が何かをやっていてたくさんの音が聞こえるからこんなに部屋が静かだと思ったのは久しぶりかもしれない
朝から環の声を聞いているのはもちろん好きだけれど、こうして静かな朝もいいと思う
環はもうすっかり腕の中で落ち着いていて、眠ってしまいそうだ
寝ていてもいいんだよ。
髪を撫でればより一層眠そうにする
するとケータイが鳴り、メールが届いた
内容を確認すれば鈴からのもの
俺的にはいつでも良いけれど環がどうか。
「…ん?」
不意に目が合って不思議そうに首を傾げられた
「結と鈴が来てもいい?って」
「うん!!」
即答だった。
「足は大丈夫?」
「もう治った!」
「それは早すぎ」
でも環が良いと言うのなら。
メッセージを返信すると、環の足に貼っていた湿布が剥がれないように縁をテープで貼り、緩い長ズボンを履かせた
俺は気にしないけれど、環が気にするのだ
長ズボンで見えなくなった湿布。
環はぴょんっと膝の上に乗って「結と何しようかな」と嬉しそうに笑った
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