アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
決めたこと
-
「いってきまーす!」
「…いってらっしゃい」
朝の七時半を過ぎた頃、鈴は車の鍵を指でくるくる回しながらそう言った
「玄関まで来てくれるのー?」
嬉しい。と、頭を撫でられた
頭を撫でてくれたことで、今度は俺が嬉しくなった。
「…早く帰ってきてね」
早くあの場所に行きたいとかそういう訳ではなくて、鈴と離れている時間は少しでも短い方がいい
俯き加減に呟けばふわりと抱きしめられた
「終わったらすぐ帰ってくる!」
「…待ってる」
「じゃ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
恥ずかしかったけれど、手を振ってちゃんとばいばいをした
部屋に誰もいなくなるとそのまま玄関先の廊下に座った
それから少しの間特に何を考えるわけでもなくぼーっとして時間が過ぎていく
そういえば朝におにぎりを作ってくれたんだと思い出した
残してしまうのは申し訳ないので食べようと立ち上がったら、突然大きく視界が揺れた
多分立ちくらみだ。
前はしょっちゅうなっていたけれど最近は落ち着いていたから余計にその感覚が気持ち悪い
口元を押されるとまた床に座った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
334 / 427