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鈴の家
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「何話してたのー?」
階段を降りながら聞かれる
「別に何も」
「後で弟に聞くからいいもーん」
「…だめ」
鈴の好きなところを話していただけなのに、それを本人に聞かれるのはただただ恥ずかしい
「余計気になる!」
「だめ」
そんな会話をしていたら直ぐにキッチンについた
お母さんと目が合う。
にこ。と微笑まれて反射的に逸らしてしまった
何で俺ってこんなに失礼な行動しか取れないんだろう
「気合い入れて頑張ろー!」
横から声が聞こえて、見れば鈴も一緒に作るのか、腰に巻くタイプのエプロンを着けているところだった
「何作るのー?」
「そうね。何がいい?」
「美味しいのがいいー」
「もっと詳しく」
ふたりの会話が微笑ましい。
このまま空気になってしまって、特に何かをする訳でもなくふわふわと二人の様子を眺めていたいなと思ってしまう
「結は何がいー?」
「…俺?」
突然話を振られて驚く
気持ち的にはもう空気になっていたから話を振られるとは思わなかった
「材料はね、キャベツとー玉ねぎとー」
鈴のお母さんが冷蔵庫の中を見ながら教えてくれる
「ロールキャベツとかは?」
「いいわね!」
「…うん」
鈴の提案でロールキャベツを作ることになった
とは言っても、どんな料理なのか見当もつかない
と、そんなことを思っていると目の前にスマホが現れた
「ロールキャベツこれ!」
美味しそうでしょー。とにこにこしながら数パターン見せてくれる
すごく、…美味しそう。
「これ、作れるの?」
「作れる!」
俺、こんなにすごいの作れるの?
まだ作ってもいないのに既に何だか嬉しくなった
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