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少しだけ意識した。(そらる×キヨ)
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浴室に、シャワーの音が響く。顔が熱く感じるのは、お湯を頭から浴びているせいか、酔っ払っているせいか、それとも・・・。
その理由は、自分自身でちゃんと理解出来ている。
オレは、キヨさんのことが好き。もちろん、友達としてとか、憧れだとか、そういうのではなくて。恋愛対象として、キヨさんのことが好きだってことだ。
オレは別にゲイってわけじゃない。かと言ってバイか?と聞かれても、そこも頷けるわけじゃない。でも、首を横に振るわけでもない。
昔、学生の時、オレは普通に女の子を好きになったことがある。告白だってした。付き合ったこともあった。
もちろんその頃、男を好きになったことなんか一度もなかった。
これからも、可愛い女の子を好きになって、告白して、付き合って、あわよくば結婚して、幸せな家庭を築いて。オレはそんな未来を想像してきた。
・・・でも、どうしたことか。オレは、男のキヨさんを好きになってしまった。
その経緯は、話すと長くなるからまたいつか。
問題は、今起きている事。まさに今が、オレにとって絶好のチャンスである。実はオレは、全然、1ミリも酔っていない。むしろ、酒は一口二口呑んだ程度で、そんな量じゃ酔うはずもなくて。
だから、キヨさんにしていたあの面倒臭い酔っ払い男のそらるはただの演技。ドラマでの酔っぱらいはこんな感じだったなと思い出しながらやった事だ。
何でそんなことをしたかって?
さっきも言った通り、これは絶好のチャンスだから。他のみんなも居たけど、キヨさんと一緒に飲みに行くなんて機会、次いつあるかわからない。
だから、オレはどうにかしてキヨさんと二人きりになろうと酔っ払い作戦を決行したわけで。
取り敢えず居酒屋にいる時はどうにかして二人きりになろうと思っていたんだけど、何故かみんな揃って帰っていってくれたおかげでこうやってキヨさんをオレの家に連れてくることが出来た。
「あれは、やばかったな・・・・・・。」
そう、オレが言っているあれとは、まさにあれのことで。
キヨさんにおんぶしてもらって帰っている途中、オレが緊張のあまりでかい溜息をついた時。あの時、オレの息がキヨさんにかかったみたいで、キヨさんがびっくりしていた。暗くて見ずらかったけど、絶対キヨさんの耳赤くなってた。きっとキヨさんは耳が弱いんだと思う。いいことを知った。
次。オレの家の前についた時、キヨさんがオレを背負ったままこっちを向いてきた時。あの時のキヨさんとの顔の距離、びっくりするほど近かった。もしもう少しこっちを向いていたらどうなっていただろう。絶対、オレの唇がキヨさんの頬っぺに当たっていたはずだ。
「・・・キス、したかったなぁ・・・。」
なんてオレの願望は、シャワーの音と共に流れて言ってしまうわけで。
次。オレがわざとリビングで服を脱いだ時。・・・そう、もちろんあれもわざと。キヨさんにオレのことを意識してもらうためにやったこと。かなり大胆な事だからめちゃくちゃ緊張したし恥ずかしかったけど、頑張った。
案の定、キヨさんの目線は俺の上裸に向いていたわけで。それに、ほんと少し顔が赤くなっているように見えた。
問題はその後だ。キヨさん絶対、オレに触ろうとしてた。キヨさんの手がオレの顔の真横に来てたんだ。オレが少し顔を横にずらしたら、キヨさんの綺麗な手がオレの頬っぺに当たっていたこと間違いなし。
・・・一応酔っ払いなんだから、そんくらいやっても良かったかな・・・?
なんて、軽い後悔もした。
でもその後、キヨさんがオレにさっさと風呂に入るよう促した時。その時が今日一やばかった。キヨさんが上裸の俺の方に触れたんだ。外が寒かったから冷たい手にびっくりして軽く鳥肌立っちゃったけど。
キヨさんが俺と同じ気持ちで触れたわけじゃなくても、触ってくれたことがすごく嬉しかったんだ。
オレはシャワーを止め、しっかりとあったまっている湯船に浸かった。
「どうすれば、オレの物になってくれんのかな。」
・・・・・・なんだか少し、眠くなってきた。
オレは眠気に抗うことができず、そのまま目を閉じて睡魔に身を任せてしまった。
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