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◇◇
チャイムが鳴った。
帰りの会も終わったし、やっと帰れる。
小さく上に伸びてから、机の中のものを鞄に詰め込み、鞄を肩にかけたとき。
「……林野君」
隣から、手首をぎゅっと掴まれて。
視線をそちらへ向ければ、綺麗な笑みを浮かべた逢坂がいた。
「逃がさないよ。今度こそ、全部話してもらうから」
「…あー……はい」
……まあ、こうなることは予測していたけれど。
やっぱり、そう易々と帰れるわけないか。
「…ほら、ついてきて」
そう手を引かれ、連れて行かれたのは、学校裏。
ここなら人気もないし、静かだし、話をするのには打って付けの場所なのだろう。
学校裏につくなり、逢坂は俺を壁際に押し付けると、両腕を壁について、逃げられないようにしてくる。
ーー顔が、近い。
そんなことしなくても逃げないのに、と思いながら、どきどきと高鳴る心臓を抑える。
「……それで、君は俺に、何を隠してるの?」
「いや、本当に何も……!」
「…まだ、しらを切る気なの?言っておくけど、君が正直に吐くまでは、帰さないからね」
どうしよう。
このままじゃ、家に帰してはくれなさそうだ。
…思い出せ。
昨日あったことで、いつもと違うこと……。
そう考えると、一つしかない。
夜、“彼女”に会ったことだ。
でもそれは、霊気云々の話とは関係があるのだろうか。
そうは思ったけれど、それ以外に心当たりはない以上、伝えておいた方がいいだろう。
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