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公爵の計画
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「第二王子の婚約者だとっ!?」
御伽王国の上級貴族、マカスキル公爵は声を荒らげて立ち上がった。
「ええ、本人はまだ隠しているそうですが、どうやら場内ではそのような噂が広まっているそうです。」
そう告げるのは公爵の騎士のリンドバーグだ。
「くそっ、第二王子はどんな女が言い寄っても興味を示さないのではなかったのか?これでは私の計画が台無しじゃないか!」
傾きかけの公爵家、そう呼ばれ始めたのは彼が公爵家を継いですぐの事。
あいつに家を継ぐことなんてできやしない、あのボンクラ坊ちゃんがついだんじゃあやっていけない。
そんな自分の噂が社交界に流れているのは知っている。
だからこの家を立て直して、自分の悪口を言っていた奴らに目にものを見せてやろうと思っていた。
その計画とは、未だに独身を貫いている第二王子の元へ自分の娘を嫁がせるという何とも他人任せな計画だ。
丁度いい事に娘もマーク王子に惚れているようだったし、王子は女に興味がなく今まで結婚する様子もなかった。
しかし王子という立場上いつかは結婚しなくてはならないだろう。
そうなったとき、地位だけで言えば御伽王国でトップのうちから嫁を取らせるだろう。
そんな考えを抱いていたのだった。
「こうなったら黙って見ていられないな。リンドバーグ、明日は城に行く。城に連絡と、それから馬車の用意をしておけ。」
「はっ、かしこまりました。」
「くっくっくっ、いち早く王子の婚約者の情報を掴み、必ず破局させてやるさ。」
そう言って、にんまりと薄気味悪く笑うのだった。
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