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第一章:吉原に咲く華
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真「さぁ、入っておくれなんし」
指名されたのでとりあえず部屋へ通した。そして、両手を床について頭を下げた。
真「お初にお目にかかりんす、真冬と申します」
挨拶をしてから顔を上げた。相手の男は黙り混んでいる。不思議に思い声をかけた。
真「どうされんした?」
?「あ…?あぁ」
反応は微妙だったが微笑んで名前を聞いた。
真「お前さん、名前を教えておくれなんし」
?「空流だ」
その男は空流と名乗った。
真「素敵な名前でありんすね」
これは本心から思った。
それよりか、さっきから少々そわそわしているように見える。吉原で遊んだことがないのだろうか。少しからか
いたくなった。
真「主様、そんな緊張してどうしなんした?」
そう耳元で囁きながら着物の中に手を入れ太ももを撫でた。
空「花街で遊ぶのが初めてなんだ」
やっぱりか。
真「そうでありんしたか、安心してくだせぇ主様、手取り足取り全て教えて差し上げますぇ」
すると急に視界が暗くなり、背中に軽く衝撃が走ったかと思うと上になにか覆い被さってきた。どうやら押し倒
されようだ。
真「主…様…?」
空「誘ってるの?」
真「ふふっ どうでありんしょう?」
僕の足になにか硬いものがあたっている。足を少し立てて硬くなっているものをぐっと押した。
空「ふっ…ぁ…」
男の体が少し跳ねた。
真「主様、上、どいておくんなまし」
空「あ、ごめん」
真「あぁ、あと、今日は床入りできないでありんす」
空「えっ…なんで?」
驚いた表情をしている。
吉原で遊ぶのは初めてだというのだからあの決まりを知らないのも無理はない。
真「主様、三度吉原に来てわちきを選ばなければ床入りは無理でありんす」
空「どうして?」
真「ふふっ質問ばかりでありんすね」
空「うっ…ごめん」
真「謝らなくていいでありんす 先ほど全て教えると言ったでありんしょう?」
なぜだろう。この男と話していると落ち着くというか癒されるというか、吉原に来て初めての感情で心が満たさ
せるような気分になる。
真「吉原には決まりがあるのですぇ、一度目は『初会』、二度目は『裏を返す』、そして、三度目が『床入り』」
空「そうなんだ」
真「そうなんでありんす ですので、わちきを抱きたいのなら三度目以降でありんす」
男は一瞬寂しそうにしたがそのあとすぐに
空「なら、明日も来る!そしてその次の日も来る!それで床入りできるんだろ?」
そう聞いてきた
真「そうでありんすが…自由に遊べるお金は…」
戸惑いぎみにもごもごときくと男は安心してくれとでもいうように僕の顔を見てきた。
空「自慢をしている訳じゃないけど俺は一応武家の息子だ だから、大丈夫」
そういうことか。こいつは金持ちのぼんぼんなんだな。それに、やはり男とは皆同じだ。こいつもきっと僕の体
だけが目当てなんだな。まぁいい。その金全てむしりとってやる。それがここで生きていく上で最も大切なこ
と。一瞬愛しいと思ったのも気の迷いだ。普段あんな性格のものと話すことがないから……
真「そうでありんすか」
男は軽く頷いた。
真「主様、お食事でも食べますかぇ?」
僕はそう言い普段の調子を取り戻した。
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