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53話
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夜宵から少し離れたところでビラを配る。
女子から言われた通り笑顔で渡し続けると案外いろんな人がもらってくれた。
しばらくして夜宵の方を見やったけれど、作り笑いとかが苦手な夜宵は難しい顔でビラとにらめっこをしている。
なかなか無くならないらしいそれを見つめている夜宵が面白くて遠目で見ながら、クスリと笑ってしまう。
(手伝ってもいいけど、もう少し見てよう。)
そう決めてそのまま眺めていると、後ろの方が少し騒がしくなってきていることに気づいた。
かっこいいだなんだと聞こえてきてなんとなく、振り返る。
「ッ.........‼︎」
しかしその瞬間後悔した。
(なんで?
なんでいるの......?)
数メートル先にいる人物から離れたいけれど、脚が震えて動かない。
嫌な考えばかり頭の中を駆け巡っていく。
(また、連れて帰るって言われたら...?)
それこそ前回みたいにはいかないだろう...。
とりあえず見つかる前に逃げないと。
そう考えて反対側へ走ろうとした瞬間。
「あ.........。」
「ッ兄さん.....!」
真空と目が合ってしまった。
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