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56話
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「......やっぱりいた。」
「ッ......。」
突然の衝撃に状況を理解できずにいたが、その一言でやっと思考が正常に働いた。
目の前には真空の顔があり、両手を顔の横に付けられているため逃げ場がない。
(そもそもこの状況で逃げようとしたら、絶対怒るよね...。
一時的に逃れたところでまた追いかけられたりすればすぐに捕まるだろうし...。)
それに、まだ家にいた頃同じようなことがあった。
その時は怖くなってすぐに逃げたが、その後の真空の機嫌はそれはもう最悪だったのだ。
「ね、ねぇ真空。手 どけてくれない?」
「それに近いし...。」となるべく真空の機嫌を悪くしないように言うが
「だめ。今離したら逃げるでしょ。」
(いや、そうなんだけどさ...。)
思わず口から出そうになった言葉を飲み込む。
どうしたら逃げれるかと言うことばかり考える。
すると
「にいさん.........。」
聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呼ばれ、気づけば真空の顔が近づいてきていた。
流石に怖くなって真空の胸を押し返す。
しかしビクともしないどころか腕をひとまとめにされてそのまま壁に押さえつけられる。
「ッ...真空!離してッ」
必死に訴えるが離してくれる気配はない。
そして再び顔が近づいてくる。
反射的に目を瞑ると首筋に何かが当たった。
恐る恐る目を開けば、ミルクティーのような色の髪が目に入る。
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