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終わってしまえばカラカラと音を立てて
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小瓶を降ると音がした
カラカラ
中にはあの人の欠片
砂糖菓子みたいに白くて
シルクのように滑らか
小瓶は焼けた欠片の温もりを未だ宿していて
思えばそれは体温のようだ
そうそう、このくらい
あの人は体温が高かった。
愛に浸っているとその温もりが失われていくのを感じた
あぁ、あなたはこうやって死んだのだね
僕を置いて1人で逝ってしまったんだね
愛しているなんて言ったこともなかったね
それが僕らだったんだよね
でも1度くらい言っておけばよかったな
不眠症のあなただから
向こうでくらいゆっくり眠れるといいね
ねぇ、ね。
僕は本当に愛していたんだ
大好きだったよ
こんな僕が、泣いちゃうくらいには
おやすみ。
おやすみなさい。
さようなら。
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