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あなたの頬にキス
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微睡みの中ふと目が覚める
愛しい呼吸
すぐ側の体温に擦り寄る
いつもはきっちりセットされた髪の毛も
今は無防備だ
冷たい人に見えて、案外涙脆くて情に厚いし
何より一途で曲がったことが嫌いだ
そんな彼は俺の恋人
枕の端を掴む手をそっと握る
最近は寝不足が続き目の下には隈ができて少し前よりはなんだかやつれたし
寝ている間も時折苦しそうにしては涙を零したり
強そうに見えて繊細な彼は傷を隠す
俺はただ、見ていることしか出来ない
幸せを望みながらも今のままでいて欲しいと思ったりする
「……ん」
ゆっくりと彼の目が開いてムクリと起き上がる
そして俺が握っていた手を見つめて俯く
「………んで……だよ…」
また一筋流れた涙が彼の手の甲にぽたりと落ちる
ごめんね
君にこんな思いをさせて
静かに泣き続ける彼を抱きしめて頬にキスをした
こんなふうになっても君から離れられない俺を許さないで
涙を拭うことも出来なくなってしまった俺を、君一人を残してしまった俺を一生許さないで
「………………なんで、お前が死んじまうんだよ」
ごめんね
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