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再嫁
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清盛とは九年(とせ)ともに在ったらしい。
子を産んだとも産んではおらぬとも言われておる。
産んでおれば男女の仲であったとわかろうし、産んでおらぬなら男女の仲ではなかったのだと信じたい。
それが子というものであろう。
だが九年も赤の他人のところに身を寄せれるものだろうか。
しかもその男は父の仇である。
悪しくいう人は、母が仇を籠絡したのだと言う。
母を知恵ものと思う向きは、子等を救ったのだとみる。
何のことはない。
母は成り行きに任せたにすぎなかろう。
さして考えのある女人ではなかった。
ただ、私と暮らせる。
それが嬉しかったのであろう。
美しいが、平凡な女人だった。
十年もたなかったのは飽きられたからだ。
その程度の女人だった。
九年目。
数え三十三の春。
母は再嫁した。
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