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Story9
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「普通って...運動苦手な子を敵に回すようなこと言うなよ〜」
『そんなつもりは無い』
「ふふ、そうだろうな。よしじゃあ行くか」
『は?ちょっと待て。なんでついてくんだよ』
「生徒だけで放課後校内に入る事は禁止だぞ?それにちゃんと職員室から来いよ。待ってるから」
『はぁ...分かった』
本当に掴みどころのない奴......。
しばらく歩いていると急に黒木が顔を覗き込んできた。近いうざい。
『近いんだけど気持ち悪い』
「いや、口にクリーム付いてる」
『...は?』
もしかして、さっきカフェで"抹茶クリームプラペチーノ"を飲んだからか?
それしか考えられない。そうだとしたら凄く恥ずかしい。
こいつにだけは見られたくなかった。
「ふはは!お前可愛いなー」
『っ...うるせぇ!』
顔が中心から熱くなっていくのを感じる。
確認してから店を出ればよかった。
とゆうか何故瑞稀は言ってくれなかったのか、気づいてなかったのか?
「あははっ!面白すぎ。あ、そこじゃない」
『はあ?どこだよ。鏡無んだから分かんねぇよ』
「右のここ。違う違う」
こいつの説明はイマイチ分かりにくい。
言われた場所を拭いているのに一向に取れない。
「残念。正解は...」
本日二度目、ちゃんと気づいてれば良かった。拭くのに必死になっていて黒木との顔の間がほんの数センチしか離れていないことに気づかなかった。
___ペロッ
『は?』
「ここでした♪」
何が起きたのか分からなかった。左の口の端になにか温かいものが触れた気がしたがまさか。信じない...。
「ん。結構甘いな」
『ちょ...待て。何した』
「んー?ちょっと舐めただけだぞ」
な...めた...舐めた...な、め、た?
『はぁ!?ちょ、なにしてんだよ。気持ち悪ぃ!』
「右って素直に信じちゃう珂神可愛かったなー甘いもの好きなんだ」
『なっ!』
「はい。忘れ物取り行くぞ」
その後はあまりよく覚えていなくて、突然の事に混乱しながら帰った気がする。
何を考えているのか分からないし、男に普通やるもんなのか。
信じたくは無かった。だけど...確かにあの時タバコの匂いがしたということは本当なのだろう。
信じたくないけれど。
__________
次の日にはまた黒木は話しかけてきて、しかも前より距離が近い気がする。
話しかけられる回数も増えた。それを瑞稀に話しても何故か「良かったね!」と言ってくる始末だ。
毎回毎回俺は、黒木が何も無い時のクソ親父に雰囲気が似ている部分もあるせいで少し不快だった。
もちろん黒木がクソ親父とは全く違うとは分かっているものの、どしても、だ。
そして今日俺は17年の人生で1番驚かされる事となる。
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