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story41
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『あれ...』
ここ、どこだ?
何やら凄く広いひとつの部屋のようだが、物音ひとつなく、電気も何もつけられていない。
自分にかけられていた毛布を取り、一面ガラス張りになっている壁に向かって歩いた。
『うわっ...』
ものすごく高い場所にある建物のようだ。
外に見えるどのビルよりも高い。
建物や街灯の光がキラキラと反射して、寝起きの目に突き刺さる。
ところで、どうしてこんな所にいるのだろう。
暗くて部屋の中が見渡しにくいが、ここは自分の家ではないはず。そして瑞稀の家でもない。
さっきまで何をしていたんだっけ?
__ガチャッ......
そんなことをぐるぐる考えていると、ふと部屋のドアがあく音が聞こえた。
そして誰かが部屋の中に入ってくる気配を感じる。
別に隠れる必要はないはずなのだが、なぜか妙に緊張感が走り、本能的にソファの影に隠れてしまった。
その足音は、スリッパの音を鳴らしながら一歩一歩こちらへと近づいてくる。
「珂神...?」
あれ、この声。
『黒木?』
聞き覚えのある声にそう返事をすると、その瞬間に部屋の明かりがパッとつく。
暗いところにずっと居たせいか、余計眩しく感じる。だんだんと視界がハッキリしてきて、先程の声がした方向を見た。
「珂神、起きてたんだ。そんなソファの影なんかで何してるんだ?」
やはりそこに居たのは黒木だった。
黒のシンプルなTシャツにダボッとしたカーキ色のズボンを履いている。
そして、部屋が明るくなって気づいたが、この部屋はかなり広い。
それに一つ一つの家具が見るからに高級品。
黒で統一されたシンプルなつくりの部屋だ。
『いや、何してるっていうか、ここどこだよ』
「ああ、俺の家だよ。なんでここに居るのか覚えてないのか?」
『なにが?』
「学校でヤッたら珂神がイッた瞬間に気を失ったんだよ」
『やっ...た?』
黒木の言葉を理解するのに、十数秒かかった。
そして、じわじわとその事が思い出されていく。
全てを思い出した瞬間、きっと俺の顔はそこら辺の林檎より赤かったはずだ。
「あ、思い出した?」
意地が悪い笑顔を向けられたので、赤くなった顔を隠すようにぷいっとそっぽを向いて『知るかっ』と言った。
「制服が汚れちゃったからさ、家に帰る前に洗った方がいいだろ?それに珂神意識なかったし...だから俺の家まで運んだの」
『はぁ...』
「制服は今乾かしてるからね。お家にも連絡入れとしたから乾くまでいるといいよ」
『あそ...』
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