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story42
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まあ、家に帰ったところで嫌な思いをするだけだし、ここにしばらく居られるならむしろラッキーと言っていいだろう。
部屋のすみの置時計をみて、今が8時過ぎだと確認する。
結構な時間寝てしまっていたんだな...。
「それで、さっき珂神が寝てる間に近くのコンビニで色々食べるものを買ってきたんだけど、どれがいい?」
『別に...なんでもいい。コンビニのものってあんまり食べたことねぇから分かんねぇし』
「え、まじか。ああそうか、お坊ちゃんだもんな。じゃあオムライスでいい?」
『ああ』
珂神からオムライスを受け取り、案内されたダイニングテーブルに座る。
黒木は俺が座った後、向かい側に座り、カルボナーラを食べだした。
「珂神の家でだされるものと比べたらあれだろうけどごめんな。俺料理出来なくて」
『いや、確かに比べちまったらあれだけど、これも十分美味しい』
コンビニも進化してるんだなぁと感心しながら食べ進める。
『...』
「...」
会話が...ない。
いつも俺から話題を振ることはそうそうないし、何となくその、や、ヤッたあとだから気まずい。
俺はその事を思い出すまいとひたすら食べ進めながら部屋を見渡した。
これが黒木の部屋なのか。
全く生活感がないし、家具も高そうなものばかりとはいえ必要最低限しか置かれていないように感じる。
『黒木って、金持ちなのか?』
「え〜、珂神の家に比べたらしょぼいもんでしょ」
『い、いや、それはそうだけど。普通の家に比べたらって...』
「まあ...教師以外の仕事もやってるからそれなりに稼いでるんだよ」
『教師以外の仕事って?』
俺がそう聞き返すと、黒木は困ったように笑いながら「大した仕事じゃないよ」と言った。
その目はなんだか「これ以上聞かないでくれ」と言っているように見えて、会話はそこで終了した。
_______
それから、2人で食事を済ませた後、風呂に入れと言われたので素直に入り今に至る。
黒木は俺が風呂からあがると、リビングのソファに座り書類を沢山広げていた。
教師というのは家でもそんなに仕事があるのかと思いながら、邪魔にならないようにそっとダイニングの椅子に座った。
「あ、珂神。もう上がってたの?気づかなかった。一声かけてくれればいいのに」
『仕事してるみたいだったから』
「ははっ、優しいなぁ。そんな所に座ってないで隣おいでよ」
『いい。もう帰るし』
「え?何言ってんの。今日は泊まりだぞ?」
『...はぁ?』
泊まり?それはここに泊まるという意味だろうか。いや、きっとそうだ。
「もう珂神の親御さんには許可とってあるしね。もう11時だし、明日も学校あるんだから泊まってきなよ」
『いや、許可とってあんのかよ』
「うん。上手いように言っといたよ♪」
ああ、黒木はそうゆうのは上手そうだ。
仕方がない。確かに今から帰ってもここに泊まってもあとは寝るだけなんだから同じだろう。
それに、あの家にいるよりはこっちにいた方が何倍も気が楽だ。
今日くらいはいいか...。
『...分かった』
「よし、じゃあもう寝る?俺はまだ仕事で寝れないから、珂神はベッド使っていいよ」
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