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8話(2/4)
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映画を見終わった後、続けて流が持ってきたDVDも見た為、現在の時刻は1時前。
欠伸もオンパレードで行進中だ。
「さっすがに眠いな……あれ、カナ先輩は?」
「とっくに自分の部屋で寝てんに決まってんだろ」
確かに奏は始めから映画は見ないと断れていたので、最後まで付き合う訳がない。
後片付けを終え、自分達もさっさと部屋に戻って寝ようとしたのに、
「まだ俺はいるんだが……」
「のぉわ!?慶一さんいたんですか?」
「ずっといたよ!」
「なんだよそれも気付かなかったのかよ」
部屋の電気を消そうとしたら隅っこのソファーに慶一の姿があった。
千尋の反応に流は呆れたと肩を竦め先に部屋に戻ってしまった。
慶一も忘れられていた事にショックだったらしく明らかに傷ついた顔を浮かべている。
「す、すみません……」
「いや別にいいよ。映画は夢中になるものだからね。それより、」
ちょいちょいと慶一が手招きする。
それに疑問を抱きつつ側に向かう。
「なんですか?」
「最近発作の方は大丈夫?」
真面目な顔をして小声で話す慶一。
(発作……最後になったのっていつだ?)
そういえば、と思い出してみる。
確か高校に入学したその日に……
「あ、」
「どうしたの?」
「いいいいいえ!なんでもないです!!あ、発作はありましたが自分でどうにかしましたから!!」
咄嗟に嘘をついてしまった。
自分ではどうにもしていない。
高校入学した日とそれから数日後に発作があった。
しかしその二回とも流と成り行きとはいえヤってしまったのだ。
(最近発作も無かったし、流も忘れてたみたいだからオレも忘れてた)
「自分でなんて大変だったんじゃないの?」
「そ、そうですね」
不振な眼差しを向けられる。
平素を保とうと作り笑いを浮かべてみるが通じているかは分からない。
「それなら別にいいけど……」
(バレなかった)
何となく慶一には話したらマズイような気がするしそれを知ったら慶一は流を責めるかもしれない。
あれは自分のせいなのだ、流は何の関係もない。
「でも!発作の時は俺を頼るようにすること!!」
「え、でも」
「でもじゃない!分かったね?」
「は……はい」
気迫に押されつい頷いてしまった。
それに満足したのか慶一は優しく微笑んで千尋の髪を撫でる。
「早く治療法、見つけるから」
「……あ、ありがとうございます」
慶一はまた千尋の髪を撫でた。
それが妙に心地よかったのと、不覚にもドキドキしてしまったなんて絶対に言えない。
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