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5 さいど魁斗
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長引いた会議が終わりやっと家に帰れる。
会社のエントランスを抜け、外の空気を吸う。
車を止めてあるところまで向かう途中、ビルとビルの間。そこに人がいた。
飲み屋街ならいてもおかしくないのだが、ここはオフィス街。
なんとなく気になり近くまで行く。
そこにいたのは、まだ幼い男の子だった。
そのまま放置してもよかったのだが、少し気になる。
そんなことを考えていて、見下ろしていたらその少年が顔を上げた。
とりあえず、何をやっているんだと聞く。
「なにもしてないです」
「こんな時間にガキが何やってんだ」
時計を見ると夜の11時前。いくらなんでもこのくらいの年の子がいるような時間ではないし、場所も不自然だ。
その少年は帰る家をなくしたといった。
「俺の家に来るか?」
なんでそんなことを言ったのか不思議でならないが、多分ほっておけなかったのだろう。
まあこんなこと会ったばかりの人に言われても不審でついてこないだろう。
少年は少し考えるような素振りを見せたあと、小さくうなずいてよろしくお願いしますといった。
まさか、受け入れてくれるとは思ってもいなかったので驚いた。
「立てるか?」
そういうと、少年は立ち上がったが力がうまく入らないのかふらついてしまう。
反射的に支えたが、それすら驚いて飛び退いてしまった。
その拍子にしゃがみこんでしまった。
「おい!ほんとに平気か?おい!」
そういっても返事はなく、気絶してしまったようだった。
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