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「綾ちゃんって、友達いるの?」
俺の質問に凄い低い声で「はぁ?」と言いながら睨みを利かす綾ちゃん。
「あ!栗花落先輩~」
本の整理を手伝ってる時、後から声をかけられた。
振り向くと、綾ちゃんと同じクラスの女の子がヒラヒラと手を振りながら俺の方に駆け寄った。
「ミキちゃん。こんにちは。」
「こんにちは。先輩が図書室いるの珍しいですね」
「そう?綾ちゃんのお手伝いしてるの」
「綾ちゃん?…あぁ。佐倉くん。」
綾ちゃんはギロリと、ミキちゃんを睨む。
だからそっと綾ちゃんの目を手で塞いだ。
「こぉら。睨まないの」
「ちょっ…」
「仲良いんですね~。2人とも可愛い~」
「…放してください。」
ぱっ…と、手を離すと「はぁ」とため息をついて本を片付け始める綾ちゃん。
「邪魔者はこれで失礼しますね」
「うん。またね~」
ミキちゃんはぺこりと一礼して図書室を出ていった。
いい子だな~。
あの子が千鶴の彼女なんて信じられないよ。
世間て案外狭いもんだね。
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