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SIDE「J」
「てめ……なんで!!」
「なんで?なにがなんで?」
オレはしゃがんだ膝に肘を置き、頬杖をついて恋人を眺めた。
素っ裸でオレを向かえてくれ恋人は、まあまあ、すっかり分身を縮こまらせてしまって、赤くなった頬と怒りで潤んだ目元が、まるで子供のようで凶悪に可愛い。
可愛いと言ったってこの人は男で、オレよりも15センチも上背があるし、性悪と言っていいほど貞操観念のないビッチ。
まあ、オレは男とも女とも、かなりの人数と遊んで来たので、ちょっと新しい刺激を見つけると、ふらふらと落ち着かないこの人を、あの手この手でしつこいくらいに愛してやってつなぎ止めることができた。
そう思っていた。
「オレが日本に帰ってちゃマズい?ちっともまずかないでしょう?」
「そうじゃなくて!なっ……おま……なんで……!!」
怒鳴りながら、さすがにこの人もオレがここにいる意味が分かったようだ。
オレが宋のマンションにいる意味。
「守谷サン、驚くことじゃないでしょ?だってアンタはオレと宋の恋人なわけじゃない」
「このマンションは、オレと宋がふたりで借りてる部屋なわけ。もちろん、あんたの為にだよ?守谷サン」
そう告げると、オレは宋が真っ赤にした守谷サンの頬を、同じように張り飛ばした。
◆
さっきから、か細く情けないうめき声が聞こえている。
だいぶんおとなしくなったようだ。
振り返ると、泣きつかれまぶたを腫らした彼がいる。かわいそうに。
さすがのビッチもこんな目に会っては楽しめないらしい。
マウスプラグを噛ませて、大きく口を開けた状態でマスクで固定したので、さっきからヒーヒーと呼吸の漏れる音がしている。苦しさに穴からのぞかせた舌がチロチロと喘ぐ。
ちょっと前までは忌々しげに横目でちらちらこっちを睨んでいたが、オレたちがまったく自分に注意を向けないのに疲れ果て、今はおとなしく俯いている。
首輪から伸びた鎖が、後ろ手の拘束した両腕の鎖とともに天井の梁にから引っ張られ、守谷サンは前のめりに跪いた格好で、もう、1時間近く放置されているのだ。
マウスプラグからはだらだらとたまった唾液が流れ落ち、首の圧迫から何度も嘔吐きが込み上げるようで、その度に咽を引きつらせていた。
形のいい鼻の頭は真っ赤に火照り、涙と鼻水がぽとぽととつたい落ちる。
「ちょっとほっときすぎたかな」
サッカーゲームに興じていたオレと宋は、顔を見合わせる。
ふたりとも、バスローブ姿ですっかりくつろいでいたところだった。
オレは手元のコニャックを飲み干しハバナシガーをくわえ、宋は2本目のワインのコルクを抜いた。
オレが近づくと、ぐったりとうなだれていた守谷サンがかろうじて瞼を持ち上げ、オレを見上げた。
その不安げな表情があまりに愛しくて、オレは笑ってしまった。
後頭部で止めたベルトを外し、歯や顎を傷つけないように、そっとマウスプラグマスクを外してやる。
途端に守谷サンは激しく咳き込み、大量の唾液を吐き出した。
オレは煙をくゆらせながら、その大騒ぎが治まるのを待つ。
「……シマ……ァ」
息も絶え絶えにオレの名前を呼ぶ。懲りたはずなのに、語尾に媚びが伺える。
汗でぐっしょりと張り付いた、柔らかい栗色の髪をなでてやると、涙がこぼれた。
「……るしい……も……イヤ……」
しおらしくすると、ほんとうに、この人は、美少年だなと、まあ、28の男を捕まえて少年はないけど、年上なことさえ忘れる程、その表情はあどけない。
開きっ放しだった唇の端は、赤く爛れてしまっていた。そこにそっとキスをする。
「ごめ……ジョ ……シマ……。ごめん」
「ん?悪かったって?オレに?」
コクコクと頷く。
「オレだけに?」
少し迷って今度は左右に首を振る。
宋が部屋の奥で笑った。
「オレと宋と……両方を、アンタ裏切ってたの?」
「城嶋……痛い。頼むよ……もう……許して……。腕がいてぇよ……ちぎれそ……」
「悪い人だね」
「謝ってんじゃんか……もういいだろ……。なんだよ、ふたりしてよ……オレのことばかにしてんのかよ……」
「馬鹿にされてんのはオレたちでしょ?」
オレは守谷サンの首輪と手枷から鎖を外してやった。
どすんと床に崩れ落ちた守谷サンは、そのまま動けずに肩で息をしていた。
「守谷サン、あのね、オレたち怒ってるんじゃないよ?だって、二人ともアンタにベタ惚れなんだ。悲しいけどね」
守谷サンの背中は、汗ですっかり冷たかった。
「じゃ、なんで、こんなことすんだ……」
可愛そうに、涙声だ。
「アンタは、嘘つきだから、ここでどっちか選ばせたって、すぐに自分の恋人がどっちだったか、けろりと忘れちゃうでしょ?まあ、恋人がオレたちだけだとはかぎらないけどね」
「ねえ、守谷サン、公衆便所って意味わかる?」
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