アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
喪失 1
-
お兄ちゃんへの恋を自覚して、辛くて苦しい毎日をそれでも頑張って生きて、この恋心以外だったら大好きなお父さんとお母さんがいて楽しい事もあって、そんな日々を過ごしてた僕。
お兄ちゃん達は居なくて、お父さんとお母さんは2人で旅行に行っていた。
お母さんから家事は仕込まれてたから、晩御飯はいらないってお兄ちゃん達からメールがきてたから自分の分だけ適当に作って食べて、お風呂から上がるとテレビを観てた8時頃。
家の電話がなって、受話器を上げる。
「はい、雨宮です。」
『雨宮さんですか?こちら〇〇〇総合病院ですが…』
受話器を持つ手が震える。
その震えは全身へと広がった。
受話器の向こうで声がするのに、僕の耳は耳鳴りがおきたように、きちんと言葉を拾わない。
嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ!!!
違う、違う、違う、違う!!!
『雨宮さん!!!』
受話器からの大きな声に驚いて震えが止まった。
『ぁ、すみません。』
「ぃ、いえ、すみません、もう一度いいでしょうか?」
『雨宮さん、他の方はいらっしゃいますか?』
受話器からゆっくりと優しい声がする。
「…今は、僕だけです。でも、大丈夫です。もう一度お願いします。」
それから、言われた事をメモにとって受話器を置いた。
テーブルの上に置いてある携帯を取ると正兄ちゃんに電話をする。
けど、それはすぐ留守番へと切り替わってしまった。
メッセージを残す事もなく電話を切ると、今度は律兄ちゃんにかける。
それも、コールはなるものの取られる事はなく仕方なく電話を切った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 59