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想い 3
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「可笑しいのかな?俺は。」
正兄ちゃんの胸から顔を上げて見上げると、蕩けるような笑顔があった。
「嬉しくて仕方ないんだ。」
「で、でも僕は!!律兄ちゃんの事も!!」
正兄ちゃんとは真逆の苦しい表情で僕は、この腕から離れようと掌で正兄ちゃんの胸を押して藻掻く。
それを正兄ちゃんは許さず、より一層強く、僕を抱き締めた。
「構わない。雫が律を好きなのは知ってるから、その気持ちと同じくらい俺の事も好きか?」
「…うん。大好き。」
優しい問いかけに僕の顔は自然と笑顔になる。
「なら、構わない。」
「それに!知らない奴に雫の想いが向くのも取られるのも我慢出来ないからな。だったら、律と俺の2人で雫を愛すればいい。」
ん?
なんか変だよ?
「正兄ちゃん。」
「ん?なんだ?」
「律兄ちゃんには彼女がいるよ?」
僕の言葉に正兄ちゃんが一瞬マズいといった表情になる。
けど、次の瞬間には楽しそうな、ちょっと意地悪な顔で笑った。
正兄ちゃんが僕から少し離れると、片手で僕の腰をもう片方の手で頬に触れる。
「正兄ちゃん?」
「雫…キスをしてもいいか?」
正兄ちゃんの言葉に掌を正兄ちゃんの胸に当てたまま、驚き固まる。それから、顔の熱が急上昇した。
ボブっと効果音が付きそうな程だ。
「はぅ、ぇ…あ、う゛ぅ゛」
恥ずかしいけど、僕はそういう行為はおろかキスすら、まだだったりする。
「雫、嫌か?」
嫌な訳がない。
ずっと、ずっと好きで、でも永遠に叶う事も報われる事もない想い人と気持ちが通って、その人から求められて嫌な訳がない。
「い、やじゃ…ない。大好き、正兄ちゃん。」
優しく正兄ちゃんの顔が近づいてきて、僕はゆっくり目を閉じた。
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