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司と別れてから、僕は優さんに連れていかれて
休憩所3と書かれていた部屋に入った。
中に入れば部屋の中は普通の家のリビングを
小さくしたような部屋になっており、テレビやソファなどが置かれていた。
「佑月くん、そこに座っててください!あ、何か飲み物とかいりますかね!?」
「喉は乾いてないので…今は大丈夫です。」
「そっか!わかったよ!ちょっと待っててくださいね!」
そう言って優さんは奥へ自分の飲み物を取りに行った。
その間、僕はソファに座り大人しく待っていた。
すると遠くから優さんが僕に話しかける。
「佑月くんはさ!つかっさんのこと好きですか?」
「は…?え、、」
「あ、いや!変な意味じゃないですよ!」
「ああ、はい。」
「で、どうなんですか〜?」
きっと優さんは軽いノリで聞いているんだろう。
だけど僕はそれを真剣に考える。
司は僕にたくさんのことを教えてくれて…
あの最悪だった家から助けてくれた。
多分、司がいなかったら僕は生きていけないと思う。
だけど…好きか?なんて聞かれたら正直よくわからない。
長いこと愛されたことがなかったからかな?
好きとかそういう感情は何があってわかるように
なるものなんだろう。
わからない。
今、司は僕にとって…。
「…恩人?」
「なんで疑問形なんですか!?」
「よくわかんないです。」
そんな僕の曖昧な言葉に優さんは少しだけ笑った後
次は真剣な顔で自分の事について話してくれた。
「俺は尊敬してるって言うんですかね?つかっさん本当に強くてかっこいいし、組員誰もが憧れる存在なんですよ!俺も路頭に迷ってるところをつかっさんに助けてもらったんです!だから今は恩返しみたいな感じでここにいます。だから恩人っていう部分については佑月くんと同じですかね!」
「…。」
「あ、いきなり熱く語っちゃってすいません。でももう少しだけ聞いてもらえませんか?」
「全然大丈夫ですよ!続けてください。」
「ありがとうございます。で、ですね!つかっさんを筆頭にして動く執行部が6にんいるんですけど、この6人全員が一度はつかっさんに何かしら助けてもらってるんです。だから俺ら執行部は何があっても、つかっさんを必ず守るし、一生ついて行くって決めてるんですよ!」
熱く語る彼はとても輝いていて、僕なんかにそんな大事な話をしてもよかったのかと思うほどだった。
でも司が羨ましい。ずっとこんな素敵な人たちに
囲まれて生きてきたんだね。
僕なんかが、近づいてはいけない存在なのかもしれない。
「司は…やっぱり優しい人なんだね。こんなに思ってもらうてる司は幸せ者だよ。僕は…誰にも愛されてないから、司が羨ましいな。」
「佑月くん何言ってるんですか!そんな俺たちが尊敬してる男に佑月くんは大事にされているんですよ。つかっさんは佑月くんのことちゃんと見てます。それに今は俺たちもいるじゃないですか!佑月くんは1人じゃないですよ!」
優さん…そんな簡単に絆なんてものは生まれないんだよ。司と優さんたちに何があったかはわからないけど硬い何かで繋がっていてお互い信頼しあっているように見える。
だけど僕は違う。
ずっと一人で…信用してた人らにも裏切られ、挙げ句の果て殺されかけた。僕とは大違いだ。
僕の周りには誰もいないままなんだよ。この先もずっと。
仮にそんな人が現れたとしても、僕は信じる事ができないままでいるに違いない。
僕は幸せにはなっちゃいけないから、人生が終わるその時まで償いをして罰を受けなきゃならないんだ。
「ごめんなさい、言ってる意味がわからない…」
「佑月くん………いつかきっとわかる日が来るはずですから、その時まで気長に待ちましょう!ね?」
「そう…だね…。」
そしてその話が終わったと同時に部屋の扉が勢い良く開き、瑠衣くんが慌てた顔をして入ってきた。
「優!誠と凪が…!!!」
何故だか嫌な予感がする。そんな気がした。
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