アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
93〜司side
-
ーコンビニで何かあったか?
そう佑月に問いかけた後、佑月は小刻みに体を震わせ床に崩れ落ちた。それを見ていた俺はいつものように佑月の側に駆けつけ抱きしめることをしなかった。
ここで佑月を抱きしめてしまえば、今回の自分の過ちを気付かずに終わってしまうからだ。
話を聞けば佑月に悪気があったわけではない。そんな事はわかっている。だが…許せなかったのだ。俺らの家から無断で外出した佑月を。今回のことが無ければ外出の事は口には出さなかっただろう。
外出が悪いと言っているわけじゃない。
無断外出がどんなに周りに心配をかけるか気づいて欲しい。高校生にもなって…と周りは思うだろう。だが、佑月はすでに黒崎組に関わってしまっている。その時点で普通には戻れないのだ。
「佑月ちゃんと自分の口で言うんだ」
「うっ…うぅ…」
今にも泣き出しそうな佑月。
だが司は容赦しない。
俺のやっている事はきっと間違っているんだろうな。
怖い思いをした奴にさらに問い詰めるだなんて…
何故俺はこんなことをしているのか…
いつもみたいに抱きしめてやればいいのに…
そう思うが俺は止まらない。
ああ…そうか…
俺は佑月を試しているのか…
真実を言うのか…仮に他の男にあっていたとして
それを俺に隠さずに話してくれるか。
さらには山城に取り繕っていた佑月に嫉妬したのかもしれない。
嫉妬と独占欲が混ざり合い、無茶苦茶な思考回路になっていることに気づく。
ああ…俺はなんてひどい人間なんだろうか。
こんなんで嫌われるのなら俺に止める権利はないな。
情緒が未だに完全には安定していない佑月。
何かあれば責任は最後まで取る。
だから今だけはお前の口から聞きたい。
何があったのかを。
そして全て話し終えた後、思い切り抱きしめて甘やかしてやりたい。
ーだから今だけはこんな最低な俺を許してくれ、佑月…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
93 / 95