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第一章:真実と虚像
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ーNO.SIDEー
ーハッハッハッハッ
ーザッザッザッザッ
(くそっ、くそっ!)
ー夜
<リオン>の国境近くの森の中、
男が必死に走っていた
ー'二人の男'に追われながら…。
ーハッハッハッハッ
ーザッザッザッザッ
(くそっ!なんで!)
『初めまして、かな?私の名前はー』
(なんで…)
『私、あなたの髪色…ーー』
(なんで!!!)
『あなたは、ここで死ぬのです…<シンア>』
ーヒュンッ
「ッア!!!」
ードサッ……
男ーシンアが足を見ると、ナイフが刺さっていた
(チッ!…後ろには木、前には…)
「あーやっと、捕まえた?」
「追いかけっこは、お終いだぁ」
ひひっと笑うと、ザクザクと茂みから男が二人出てきた。
(コイツら、か)
「ってめぇら、俺様が誰か知ってのことー」
「知ってるよー…'リオンの王様'?」
「っ…」
「ははっ、いや今は'元'王様かな?」
そう笑いながら、男の一人が剣を抜きシンアに近づく。
「チッ…!?」
シンアが無理やり立とうとしたが、体に力が入らず動けない
「な…」
「無駄無駄?蛇族の神経毒で体が麻痺してるんだもーん」
男はゆっくりと剣を振り上げる
「さようなら?
元王様!!!!!!」
男がシンアに振りかざしたその時ー
ーザザァ…
「なぁ…」
ーヒュンッ
「!?」
ーサッ カキンッ ドンッ!
「クッ!!?」
「何してんだ…
お前ら」
凛とした声が森の中で響いた
シンアは唖然と、突然現れたフードを被っている(わからないが体格的に)男を見ていた。
(あの蛇族暗殺部隊の、しかもセナン直属の部下どもを蹴り負かしただと!?)
「ッケホ…あんた誰だよ?
……邪魔しないでくんない!!!」
蹴り倒された男は立ち上がると、怒りで顔を歪ませたまま、今度はフードの男に向かって剣を振りかざす。
ーキンッ ガッ!
フードの男はそれを剣で受け止めると、男に回し蹴りを放つ
「ッー!おい!」
「あぁ!オラァ!!!」
その蹴りを男は受け止め、もう一人の男がフードの男に斬りかかる。
〔…風よ〕
「「ッ!?グハッ!」」
しかし、男が一言呟くと彼等と男の間に突風が巻き起こり、男達は吹っ飛ばされた
(無詠唱魔法だと…!?)
シンアがフード男がやった事に驚いていると男達が警戒しながら立ち上がる
「クッ、お前何者だ…」
「俺か?俺は…
通りすがりの迷子だ」
テン
テン
テン
「「「…はぁ?」」」
この瞬間、初めて息があった三人だった。
ーNO.SIDEendー
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