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子守唄
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「……おい、なんだその哀れんだ目は」
「気にすんな」
それに不満気なミコトだったが、俺が座れと手でベッドを叩くと素直に腰掛けた。
「…さっきの話は聞いた」
「あ?」
「お前の敵は、城の外にもいるんだろ?」
「……盗み聞きとは、良い度胸だな」
「耳に聞こえてくるんだから仕方ない」
いや、仕方なくねぇだろ…(汗)
「ハァ…じゃあ今の状況はある程度わかるな?」
「思ったより、最悪なんだろ?」
「…あぁ、そうだ」
少しだけ、ミコトから視線を外した俺の頭に乗っかる暖かい何か。
それがあいつの手だと分かったのは、すぐだ。
「んで?次はどうするんだ?」
「ッ……あぁそうだな」
あぁ、そうだった…こいつは、こういう奴なんだ。
この状況に、逃げるでもなく、後悔するのでもなく、
ただ…一緒に立ち向かってくれるんだ。
「そうだな…っふあぁ…」
「なんだ眠いのか?」
「あ?あー…まぁ…」
曖昧に頷くと何がおかしいのか、クスクスと笑うと俺の手を引っ張りベッドに寝転がらせる。
突然の事に驚いているうちに、ミコトは俺に毛布をかけてガキを寝かせるようにポンポンと軽く腹部を叩いた。
……いやいやまてまて
「おい、俺は別に眠くねぇぞ?」
「はいはい」
「てめぇ聞いてねぇだろ!!」
「え、ばれた??」
ブチッ←
「おーそうかそうか、俺様の本気を見たいのか(怒)」
「まぁまぁ落ち着けって(笑)
んー…あ、そうだ歌をうたってやるよお詫びに」
……は?歌???
「なんで急に歌、というかお前、歌上手いのか?」
「さぁ?普通くらい??」
いや、俺に聞くなよ(呆
勿論いらねぇと断ろうとするが、ふとそういえばフィル達はこいつの歌を聴いた事があるとかなんとか言っていたのを思い出す。
………
「しゃあねぇから、聴いてやるよ…」
「おーそうか」
「…まぁせいぜい、俺の眠りを妨げないようにな」
ニヤニヤと笑うミコトを軽く睨みつけてから、背を向けて目をつむる。
それにまたクスクスと笑ったミコトは、ギシッとベッドを鳴らしながらまた、俺の頭を優しく撫でる。
「…逆に俺の歌で良い夢を見せてやるよ……
では、おやすみの王の為に一曲……"星夢"」
__ゆっくりと、その唄は流れはじめた
ーシンアSIDEendー
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