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捨てられた
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今日、僕は捨てられた…
「少しの間、旅に出てきます。探さないでね。母より」
少しの間?
違うよね、あの人たちから逃げたんだ。
俺を売ったんだ…?
僕は、貴方に愛されていなかったんですか?
僕は、貴方の事を一番大切な家族だと思っていました。
その考えが、間違えだったんですね…
「かあ、さん…」
もう、母さんなんて、呼べませんね…
あの方は、僕を愛してなんていなかったんです…
愛されていない僕に“母さん”なんて呼ぶ資格はないです…
ピンポーン
「しーらーいーしーさーん」
来た…
僕は、どうなるんだろうか…
人身売買?
臓器売られる?
ガンっ!!!
「いんのは分かってんだよっ!出て来いよ!」
「うるせぇ。もう少し静かにやれ、哲。」
「すいませんっス」
あ、出なきゃ…。
俺が、唯一できる、償い…
ううん。
俺をここまで育ててくれた、感謝を込めなきゃ…
あの方を守らなきゃ…
「震えるなっ。だ、大丈夫…大丈夫。」
ガチャっ
「遅く、なり、も、申し、わ、訳あり、ませ、ん」
怖いっ…で、でも、お、恩を、仇で返すわけにはいかない…から。
「あ゛ぁ?てめぇ誰だ?」
「し、白石 友梨の一人息子の白石 み、充と、も、申します」
「で?てぇめの母親はどこだよ?」
「ぼ、僕を、お、いて、出ていき、ました。」
今、思い出したけど、2人がいるんだよね…
なんで、もう一人の人は、なにも言わないの?
「ふぅん?じゃぁ、お前の母親は、お前を俺らに売った。ということか?」
しゃべった…。
「はい。ぼ、僕は、ど、どうなっても、か、構いませんっ…ですから、は、母は見逃し、てくだ、さい。お、おねが、いします…」
「顔、上げろ。」
こんな時にこんなこと思うのはどうかと思うんだけど
凄く綺麗な顔をしてるんだな…この人
「お前は、母親を恨んでんのか?」
「恨ん、では、いません…ただ、愛して、ほしかった…です…」
泣くな。思いだすな。
迷惑かけちゃダメ。
「泣くな。大丈夫だよ。いきなり取って喰おうなんざ思わねぇよ。」
大きい手、暖かい…
「なぁ、充って言ったか?」
「はい。」
「俺んとこ来いよ。」
なんで、この人は、こんなにも、暖かいんでしょう…
「で、でも、迷惑に…っ?母の借金ですら、返せない、ぼく…なんかっ」
「きにすんな…」
どうして…、どうして、撫でるんですか?
「え、ちょ、亮さん!?コイツの、母親の借金はどうするんすか…?」
りょう…さん?
「俺が、持つ。」
え…?
僕のために…?
あんな、大きな額の借金を…??
「だ、だめですっ!こ、これ以上、迷惑なんて、かけられません!!
僕は、捨てられた子供なんです…。好きに使ってください。」
「やらねぇ。俺が、欲しいと思った。だから、お前が、俺んとこ来いよ。」
どうして、そんなに優しい顔で笑うんですか…?
「そんなに、金の事気にしてんなら、俺んとこで、仕事やる。それで、返せ。いいな?」
「そんなことでいいのです、か?僕の、母…は、期限を破りすぎたのに…」
「あぁ、いいよ。」
あぁ、この人について行きたい。
「コイツ本当に、もって帰る気ですか?」
「おう、決めた。こいつ、もって帰る。お前さん、歳は?」
「こ、ことし、18になり、ます。」
「は?!そんなに、ちっこいのにか?ちゃんと、飯、与えてもらってたか?」
「ぁ、ぇ、はぃ…」
「哲。行くぞ。ほら、充。おいで…」
両手広げてどうしたんだろう…
「え、あの?ぇっ!お、下ろしてください!お、おもいですよ!!」
なんだろう…
心臓がきゅぅってなった。あと、此処がポカポカして来た…。
「おもかねぇよ。軽いくらいだ。ちゃんと、捕まっとけ。」
「ぁ、は、い」
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