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*女の決意
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いらない。
使えない子はいらない。
いつでも、大丈夫で。
いつでも周りのことをきちんと考えられる子に育ててきたのに。
それを裏切ったのは彼だから。
分かってるのだ。
言われたこともある。
「秋も子どもなんだから」と。
私の求めることはあまりにも重いと。
いつか会ったあの女は、秋の頭を撫でた。
秋は私の子。
「おかーさん、どうしたの?」
呼ばれてハッとした。
そうだ、夕飯を用意しないと。
のろのろと動きながら献立を考える。
今日、彼をこの家から追い出した。
その日に彼の嫌いなものを食べて祝福したら、彼はどんな顔でそれを知るのだろう。
ふと思いついて電話を手に取った。
「ねえ、あなた。今日は駅前のケーキ屋さんでショートケーキを買ってきてね」
突き刺さる視線に、気づけないまま。
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