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不良4
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「…なんでそんなこと初対面の奴に言わなきゃいけねえんだよ」
「そ、それは…その…ごめん」
言われたとおりだ。
沈黙が気まずくて、やっぱり教室に戻ろうと動き出す。
赤城はちらっとこっちを見たけど不機嫌そうな顔をして目をそらした。
「あの、ありがと…」
最後にそう伝えると、赤城はちょっと驚いた顔をした。
「…別に。それよりお前大丈夫なのかよ」
…やっぱり、思ってたよりも赤城は悪い人ではないのかもしれない。
「大丈夫、だよ」
にこっと笑って教室の扉を開ける。
明日からは、先輩たちはここには呼び出さないかもしれない。
かといってもう何もないとは思えないけれど、今日こんな言葉をかけられただけでもうれしかった。
「…お前何組」
ぼそっとつぶやくような声。聞き違いかと思ってぱっと振り向くと、赤城はこちらを字とみてた。
「えっと…」
「何、言いたくないならいいけど」
「いや、そういうわけじゃ…Bだけど…」
「ふーん」
それだけ聞いて満足したのか、また赤城は僕から顔をそらした。
クラスを聞いて何がしたかったのか…というか僕が「篠原」って聞いた相手は僕の暮らすなんて知ってるだろうに、わざわざ何で聞いたんだろう。
「…またな」
「えっ…あ、うん…」
また…があるのかはわからないけど。
敵対心以外のものを向けられるのは最近はそんなに多くないから、戸惑いながらもうなずいた。
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