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赤と白 参
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__にしても、ぼっくん会話長いなぁ。
ってか、あいつ何してんの、顔真っ赤にしてさ、くねくねしてさ。
要求不満かよ、ったく。
…あの程度で俺が満足したってわけじゃねーけどさぁ、いくらなんでもこんなところで盛っかよ。
そうか、俺に犯されたいのか、あいつ。
アナルビーズ入れてやろうかな、そしてそのまんま街中歩かせてやったりして。
__嗚呼、赤い顔して力のなくなった目を俺に向けて、本物の俺を欲しがっちゃってるあいつの姿が見えてきた。
これ終わったらやってやりてー。
あー、エロいなぁ。
赤汰はもう、連れの姿しか見ていなかった。
自分を思ってやっているであろうその行為を、意図まで、完全に見抜いたかのように、一致していたのだ。
しかし、その腰をくねらせる姿は、夜目がとても利かなければ見えないはずだ。
それくらい、その路地裏は暗くてよく見えなかったのだ。
恋は盲目、なんていう言葉があるが、赤汰はそれとはまったく別の人間なのかもしれない。
恋をしているようなのに、それでいてすべてを見抜いている。
まるで獲物を狙う鷹のように。
『おい、なにが、「あー、エロいなぁ」だ。
俺の話を聞いてるのか?
小声すぎて聞こえないなら次の時にクレーム入れろ。
とにかく、俺と通話中だということを忘れるな。
__で、何がエロイんだよ。
あ…、ラブホに入ってった二人組か』
「えーなになに、気になっちゃうの~?
ぼっくんのスケベー、ドスケベー!」
実際、ぼっくんはそっち系に疎い。
だから、そういう時は少し困らせてやろうという悪い心が働く。
少々にやけながら、電話に向かって大声を出した。
が、電話内の彼は相変わらずといった感じだった。
『五月蠅い、赤汰』
なにも否定しないのは、疎いからなのだ。
箱入りの彼には、現実の中の暗いところは理解できない。
そして、エロい方面も、親に禁止されたのかとても疎い。
きっと、人間が子供を作るにはどうするか、なんてきいたら、きっとコウノトリが運んでくるとでもいうのだろう。
それくらい、何もわからないのだ。
「はいはーい、五月蠅いんだよぉ、俺ってさ。
そーんな五月蠅すぎる俺からお願い!
そろそろ俺の理性が限界、この子たちにお仕置きしたいんだよね~。
鞭であとつけたい、いーでしょ?
ねぇ?」
__あー、くそ。
早く終わらしてくんねーかな。
俺の理性、ほんとに持たなそうなんだけどー。
先ほど口にしたのはほとんどが嘘だ。
とにかくこの電話をすぐに終わらせてしまいたい、その一心だった。
赤汰は、決して嘘に罪悪感を感じない。
それでいて、欲望に忠実だと、自分でも思えるくらいの人間だった。
だから、こんな嘘をついた。
そもそも、鞭の跡をつけたいわけではない。
赤汰がSMプレイをするのは、たった一人だけなのだから。
『あー、名前訊いてから折り返せ。
其れだけだ』
「応よ」
相手が通話を終わらせる前に切った。
赤汰は罪悪感を感じなかった。
ただただ、自分の目の前にいるひとしか、映っていなかったのだから。
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