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「そんな事を思っているように見えるか?」
見えないですねー。そもそも、今さっき俺のものだ的なくっさい台詞を吐いたやつが、その相手を殺すわけないよな。
「異世界からの召喚の影響なのか、それ以外が原因なのか分からないけど、危ないのには変わりないし、花弁の中で寝るのはやめた方がいいと思うよー」
「そう、か」
ジークの言葉を聞いて、見るからにしょげる化け物に、俺はため息を吐く。俺も俺で快適な寝床がなくなるのは嫌だしな。しょうがないから、一肌脱いでやろう。
『いや、俺は変わらずこいつの中で寝るよ』
「なにいってるのトール君!」
「そうだよトールくん! こいつの中で寝るってことは、いつどうなるか分からないって事だよ!?」
『1ヶ月寝てるけど、何ともないし、こいつの中、寝心地がいいんだ』
「けど」
『何かあったら、すぐにアミラに言う。それでいいだろ?』
「いいよ」
「ジーク! お前何言って!」
「トールちゃんがそうしたいなら、それが一番だと思う。ただ、不調が起きたらすぐに言うこと。これ絶対だからね」
『分かった』
さすがジーク! 分かってる! 今なら触ってもいいぞ!
……触りすぎたら、また触手伸ばすけどな。
「いいのか。下手したら死ぬんだぞ」
なんでこの騒ぎの要因がそんな心配そうな顔してんだよ、情けない。俺は、化け物の体を慰めるようにポンポン叩くと、魔石に書き込む。
『俺は死なない』
こんな化け物の魔力こどきで死んでたまるもんか。それに、こいつの中で寝るのが慣れてしまったせいか、ベットの方が寝心地悪くなってるんだ。責任とって中で寝させろ。
「……そう、か」
そうだ。お前は大人しく俺に寝床を提供すればいいんだ。巻き付いてきた触手が何故か震えているのが少し気になったが、そこまで気にするほどのことでもないだろう。
その日の夜。俺は、三日ぶりの快眠を手に入れていた。やっぱりこいつの中が1番寝心地が良い。
そのせいもなのか。忘れていた。
「あーー!!!! ジークに召喚の事、聞くの忘れた!!」
とんでもないミスに、思わず叫んだら、うるさいと言いたげに、触手で口を塞がれたので、容赦なく噛んでやった。
「そこ、気持ちいいな。もっと噛んでくれ」
「俺の歯はツボ押しじゃねぇ!」
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