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嫌なのだが。
「……。フリークス」
「ん?」
「その……。あれは何をあげたら喜ぶだろうか?」
メモ型の魔石は喜んでいた。だが、あれは筆談ができるようになったとアミラから聞いたから、必要だと思って買ったに過ぎない。
純粋にプレゼントと考えて、トールが喜ぶもの。それが俺には思いつかない。
「トールくんが欲しがるものねぇ」
フリークスは、うーんと唸ると、ポンと手を叩いた。
「そうだ! 確かホクトくんの所で人間用の装飾品扱い始めたって、ジークが言ってたな。それをトールくんにプレゼントするのはどうかな?」
「ホクトのところでか?」
ホクトとは、俺の弟で今は装飾屋のオーナーをやっている。彼ならセンスもいいし、ホクトにあう装飾品を見つけてくれそうだ。
「そうだな。最近ホクトに会ってないし、買いに行くか」
「ホクトくん、社長のこと大好きだし、きっと喜ぶよ」
「そうだな」
それに、ホクトにもトールを紹介しなくては。初めて出来た俺のもの。ホクトも気に入ってくれるだろうか。出来るなら、仲良くして欲しい。
「礼を言うフリークス。お陰で休日が楽しみになってきた」
「それはどーも。トールくんによろしくね」
「分かった」
「じゃ、俺は戻るから」
フリークスが部屋を出ていった後。不意に、窓から入ってきた夕日で、いつの間にか日が沈んでいたことに気付く。仕事もあと少しで片付く。日付が変わる前には、屋敷に戻れるだろう。
「あと少しだ」
俺はたこ焼きを食べた後、軽く触手で頬を叩き、書類へ向き合ったのであった。
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