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⑤※微グロ
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ーーカツーン。
「……ぁ」
この空間に似合わない音を聞き、そっちへ視線を向けると、あいつにもらった指輪が転がっていた。どうやら、首紐を獣族のナイフが切って、指輪がこっちに飛んできたみたいだ。
あ、そうか。ホクトが来る前に料理してたから、指に付けずそのままだった。
「なんだ、この指輪」
獣族の手が指輪に伸びるのが、嫌でも分かった。瞬間、感じたのは焦りと怒り。
「それは、俺のものだ!」
どこにそんな力があったのか、俺は上に乗る獣族を振り落とすと、指輪を掴む。だが、それ以上の力が俺の体に残っているはずもなく、その場に崩れ落ちた。無理矢理動いたせいか、傷口が一斉に広がり、言葉にならない悲鳴と血が口から零れた。
「こいつ!」
力任せな蹴りが俺の側面を直撃し、俺の体は吹っ飛んだ。バキバキと骨が折れる音が体の中で響く。
くそ、なんちゅう馬鹿力してんだよ、こいつら。
「死にかけの家畜が、何様なんだよ!」
「かは!」
今度は腹を蹴飛ばされ、意識が一瞬飛ぶ。肋が折れ、肺に刺さっているのか、吐き出す息に変な音が混じっているのが朧気に聞こえた。
けど、握りしめた指輪だけは絶対に離さなかった。寧ろより力が入っていく。
「はは……」
こんな死ぬ一歩手前で、火事場の馬鹿力みたいな事でやったのが、化け物から貰った指輪の死守とは。
笑えないわ、本当に。
ーーー
昨日は更新なしになってしまい、すみません!
本日、昨日の分も含めて2ページ上げさせていただきます。
2ページ目は、昼頃の予定です。
よろしくお願いします!
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