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「けど、なんで、あんな契約してたんだよ。こいつ生意気だが、逃げるなんてことしねぇ。寧ろ、気に入らねぇ事あったら、堂々と立ち向かうタイプだろ」
よく分かってんなリオン。その通りだ。俺の場合、それはいつも喧嘩に発展してたがな。
しかし、その返答は、化け物の機嫌を悪くするのに充分すぎた。
「これは、契約をしていなかったにも関わらず、こっちにいる時は逃げなかったのか?」
「あぁ。寧ろ、率先して色々手伝ってくれたぜ」
「……ほぅ」
化け物視線が痛い。怖い、怖いっす。リオン、ヘルプミー。
あ、目をそらすな!
「お前は俺が嫌いなのか?」
速攻首を横に振る。
「なら、なぜ脱走しようとする」
「……」
元の世界に戻るため。そう言ったら、こいつはなんというのだろうか?
さっきの思考迷宮に舞い戻った気がして、なんとも言えない表情をしてしまう。
けど、さっき、契約をし直すってさも当然のように化け物は言った。そんなやつに、元の世界に帰りたいです。なんていったら、きっと拘束をさらに強くされるだろう。
「……」
だからこそ、言えなかった。
「ま、取り敢えず今夜はオレの家に泊まってけよ。このままトールが帰ったら、レオが悲しむ」
「レオとはなんだ?」
「オレの家にいる人間だ。黒髪で、トールと同じ国の出身らしい」
「ほぅ。なら、両方俺が飼えば、どちらも悲しまないだろう」
「あいつは渡さねぇ!」
威嚇のようなリオンの声に、俺だけではなく、化け物も驚く。
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