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⑤
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「どうしたトール顔を赤くして。それに、今なんて言ったんだ?」
「うるせぇ! こっち見んな!!!!」
真っ赤になってる顔を見られたくなくて、許す限り顔を背ける。くそ、言うつもりなかったのに、無意識に声に出すとか、どんなんだよ。
それに、今さっきは否定しなかったけど、こいつに気持ちよくされるの、その、今は嫌いじゃねぇーし。
けど、そんな恥ずかしいことこいつに言えるわけねぇじゃねぇーか!
「トール」
「な、なんだよ」
「こっち向け」
「やだ」
「いいから」
「……」
そろそろとコバルトへ視線だけを移して、ドキリと心臓が跳ね上がるのを感じた。コバルトがいつにも増して真剣な表情で俺を見詰めていたのだ。やばいこれ、かっこいい。
じゃねぇだろ! 俺!!!!
「な、んだよ」
「トール。もしかして、さっきの言葉は……俺を求めたのか?」
「なっ」
「どうなんだ?」
「……」
「沈黙は肯定ととるぞ」
「っ! そうだよ! 悪いか!!!!」
半場やけくそで、頷きながら怒鳴ると、何故かコバルトに抱き締められた。こいつ、こういう事する時は、触手でしか触ってこないせいか、直に触れ合う肌の感触が慣れなくて、モゾついてしまう。
「どうしたんだよ……」
手を縫い付けてた触手が離れたので、そっとコバルトの背中に腕を回して、ポンポンと背中を叩いてやる。こいつの行動が読めねぇ。どうすればいいんだ、俺。
「コバルト」
「俺を、呼んだのか?」
『そうだ。どうしたんだよ、いきなり抱きついて』
聞くと、今度はコバルトがそっぽを向いてしまう。なんだ、この攻防。
「コバルト」
「……」
「おーい、コバルト」
「……」
「こっち向け!」
「うぐ!」
全然反応しないから、ムカついて無理矢理こっちを向かせる。目の前の奴の首がグキっていったような気がするけど、まぁ大丈夫だろ。
こちらを向いたコバルトの顔を見た俺は、それはもうびっくりした。
「み、見るな……」
赤面した時、トマトのように〜なんて表現が使われるが、正しくコバルトはトマトのように顔を真っ赤にしてた。滅茶苦茶恥ずかしいのか、若干涙目だし。
なんだ、これ。
「めっちゃ可愛い」
「お前、今悪口言っただろ!」
『言ってねぇよ。それより、なんでそんな顔赤いの?』
「っ!」
『教えろよ、コバルト』
形勢逆転。やば、これ楽しい。ニヤニヤが止まらねぇ。逃がさねぇように、コバルトの頭に手を回し、見つめてると、暫く震えていたコバルトが、ゆっくりと口を開いた。
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