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⑥
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コバルトにつられて会社の中を見終わり、俺は社長室に居座っていた。アミラは営業部の人と話があるらしく、今この場にはいない。
「暇だ」
本でもあれば、それを読んでるのだが、残念ながら今ここにあるのはコバルトのサインを待っている書類だけだ。俺のせいで午前中を潰させてしまったから、邪魔するわけにもいかねぇし。
「トール君」
「アミラ!」
しばらくソファーに座ってると、アミラが戻ってきた。
何故か折りたたみ式の椅子と本を持って。
「お待たせ。同僚や先輩から本借りてきたよ」
『助かる! 』
「帰る時はフリークスさんに渡してね。じゃ、僕今日はこれで帰るから」
『なら俺も!』
「トール君は社長と一緒に帰ること」
言われて思い出した。そうだ。俺が帰るとここの社員スト起こして帰っちまうんだった。
「社長お疲れ様です」
「明日も頼む」
「はい。じゃあまた明日ね。トール君」
「お、おう」
ヒラヒラと手を振ってアミラは社長室を出ていちまった。
アミラ、本当に帰っちまったな。
椅子と本を片手に、俺は思わず途方に暮れちまった。
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