アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
⑦
-
「……」
俺は折りたたみ椅子を壁に立てかけると、ソファーに座り、アミラが持ってきた本を開く。直後、えー! という声が扉越しに聞こえたのは気のせいか?
「……」
コバルトを振り返るが、黙々と書類を読んでいた。その顔に真剣さはあるものの、聞こえてきた声に反応した様子はない。
……やっぱり気のせいか。
「うーん。なんか落ち着かない」
暫く本を読んでいたが、体が勝手にもぞもぞ動き始めちまうら。このソファーが柔らかすぎて座り心地が悪いのだ。高級なのだろうが、俺はもっと硬い方が俺は好きだ。
「硬いといえば……」
ふと壁に立てかけていた、椅子を見る。組み立てて座ると、丁度いい硬さだった。うん。これはいいな。
背もたれさえあればな。なんでこうピンポイントでないのやら。
壁を背もたれにするか? いや、それは読みずらいから嫌だ。背もたれなしで読んでると、猫背になるしな。
「……」
思わずコバルトを見る。仕事中だからどうなのだろうか? けど、邪魔しない程度なら……。
「いい、よな?」
椅子を持って、コバルトに近付いた俺は、よいしょっと彼に少しくっつくように座る。少し様子を見てたら、伸びてきた1本の触手が俺の腹に回ってもっとくっつけとでも言うかのように、少し俺の腹を押した。その通りくっつくと押してた力が抜け、そのまま巻き付いたままになる触手。
うん。いつものスタイルだ。ちなみに、これは無意識にやってるのか、見上げたコバルトの表情は、特に変わらない。これもいつも通りだ。
おー! とか、きゃー! とか言う声が扉の外から聞こえる以外はな。やっぱり気のせいじゃねぇ。扉の外に誰かいる。しかも、1人じゃねぇ。少なくとも数人はいる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
129 / 241