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⑧
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「コバルト」
「なんだ?」
どうやら、自分の名前だけは日本語で言っても分かるらしく、コバルトがこちらを向く。
『外に誰かいる』
「多分、いやきっと入口でお前を歓迎した奴らだろ。気にしなくていい」
「さいですか」
「なんなら、あいつらを気絶させるような可愛いことをでもすれば、騒がしくなくなるのではないか?」
おい、気絶させていいのかよ。だけど、なんかどんどん騒がしくなってきてるし、コバルトも少しイラついてきてる。この解消という意味では、こいつの役に立てるんじゃないか?
かと言って、可愛いことってなんだ?
俺は元の世界でたまたま見ていた動物番組を思い出す。確か、あれでは……。
ぎゅー。ちゅっ。
「…………」
取り敢えず、コバルトに思い切り抱きついて、額にキスしてみる。そしたら、目の前の蒼の瞳が、思い切りまん丸になった。俺からこんな積極的なスキンシップしたのは初めてだけど、そこまで驚くことはないだろ。
というより、これ思ったよりも恥ずかしいな。
ーーバタバタ!
ーーちょっ! 何人か倒れたぞ!
ーー担架! 担架持ってこい!
「まっ、向こうは数減らせたみたいだし、いいか」
もう離れていいかと。体を離そうとしたら。
ーーがし。
「がし?」
コバルトに腕を掴まれ、再び彼の腕の中へと戻る。背中に回ってる腕にそれなりの力が入ってるのか、思った以上に痛い。
「ちょっ、どうしたんだよ」
もぞもぞと動くと何故か頭上からため息が振ってきた。なんだこいつ、喧嘩売ってんのか?
「お前は、どこまで俺を夢中にさせれば気が済むんだ……」
『ん? コバルト、今なんて言った?』
「なんでもない。帰るぞ」
「は?」
「どっちにしろ。これじゃ会社が回らない」
「はぁ」
この時よくわからなかったが、その後、俺の行動で再起不能になった社員が思った以上に上の人だったと判明し、コバルトの言う通り、会社は臨時終了せざるおえなくなったという。
俺のせいじゃねぇからな!
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