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「それで、俺に何の用だ」
「可愛い弟子が我が国に来たというのに、立ち寄る気配をひとつも見せないから、わざわざ我から迎えに行ったまでよ」
「こんな面倒な所、誰が好き好んで来るか」
「我が弟子は、冷たいな。そう思わないかトールよ」
「うぉ!」
一瞬で俺の背後に回ったウィスが、抱きついてくる。なんか、ふんわりと花の香りがして、とても心地よい。そんな俺達を見たコバルトの機嫌は、急降下したがな。
おお、待て待て、怖い怖い。
「師匠、そいつを離せ。それは俺のだ」
「我が助けなければ、この人間は死んでいたのにか?」
「その事には感謝している。だが、これとそれは話が別だ」
「なにも変わらんだろう。それに、感謝の言葉は直接言いに来るものだ」
「……アリガトウゴザイマシタ」
うわ、コバルトめっちゃ片言。なんか、笑える。
「俺からも、あの時は助けてくれてありがとうな」
「なに、可愛い弟子の可愛いペットがあんな形で死ぬのは我にも耐えきれなかったからな」
「ペット言うな」
「ペットという響きは可愛いではないか。けど、そうだな。そなた達は恋人同士になったのだから、確かにこの言い方は、おかしいな」
ウィスの言葉に、俺は目を丸くする。なんで、こいつ、その事を知ってるんだ?
まだレオとリオンにしか言ってねぇのに。
表情に出たのだろう。ウィスはさも当然のような表情で言葉を続ける。
「この世界には、我の下僕が沢山いる。それに、コバルトには、専属の下僕を付けているからな。情報は逐一入ってくる。今、そいつが落ち込んでいる理由もな」
「……聞いてないぞ」
「そなたは一番手のかかった弟子だからな。心配は尽きない 」
それを聞いて、ちょっと気になった。
俺の知らない、コバルトの過去を。
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