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「俺もトールって呼んだ方がいいか?」
「ぜってぇ呼ぶな」
「なんだよ。つれねぇな」
トールってあだ名を最初に考えたのこいつだから、なんともって感じだが、こっちの世界の奴に、向こうの世界での呼び名で呼ばれると、なんか変な感じがするんだよな。
「まぁ、俺も鉱の方が慣れてるからな。今更そう呼ぶのも変か」
「そういうこと」
分かったなら、さっさっと話を進めろという感じで睨むように見つめてたら、なんかどうどう言われた。おい、俺は馬か。
「とりあえず、こいつとの話でコバルトさんと鉱がいる間は俺の家に泊まることになったんで」
『お前の家、か?』
「お前の家にいいのかって聞いてるぞ」
「鉱に聞いた屋敷より、めちゃんこ狭いけど」
「そもそも、日本にある屋敷であれよりでけぇ家なんてないだろうな」
「そんなにデカいのコバルトさんの家!?」
それは、世界遺産並みに。そんなこと言ったら、山岸のやつ開いた口が塞がらなくなったのか、ポカンと間抜け顔で俺の事を見ていた。
「ごめん、コバルトさん。俺の部屋、いや、部屋なんて言うのお恐れてきた。もう、屋根裏でいいや」
「どんだけ格下げしてんだよ」
「おま! 俺が今住んでるの一人暮らしの狭い部屋なんだぞ! そんな馬鹿でかい屋敷に慣れてるやつからすれば、屋根裏、いやいや、トイレ並みの広さだろ」
『俺は狭くても大丈夫だぞ』
「狭くても平気だって言ってるぞ」
「ありがとうコバルトさん! こいつの恩人なのに、そこそこのもてなししか出来なくて本当にごめん!」
「おい待て、恩人ってなんだよ」
確かにコバルトは俺を飼っていたが、恩人とは説明してねぇぞ。
そしたら、山岸のやつ。
「だって、見も知らない場所で売られてたのをコバルトさんが買って、対等に扱ってくれたんだろ? 鉱って、結構暴力とか、口とか悪いからな。普通なら、喰われてただろ」
なんて、真顔で言うから思わず殴っちまった。物の見事に、その手は貫通したけどな!
「ちょっ! なにすんだよ! 頭の中がひやっとしたぞ!」
「うるせぇ! 変なこといいやがって!」
「本当のことじゃないかよ!」
『同意だな』
「うるせぇ!!」
たく、どいつもこいつもなんなんだ一体。実体があったら、ボコ殴りしてたわ。
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