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「コバルトー。はしゃぐのはいいけど、お前少し寝とけよ。昨日から少ししか寝てねぇんだから」
『寝るのが惜しい!』
「即答かい」
『それに、数日寝ないくらいなら慣れてる』
まぁ、確かにコバルトが徹夜してる場面は何度か見た事ある。けど、ここはこいつにとっては異世界なわけだし、少しは自分の体をいたわれと言いたいところなんだが。
「あの興奮具合で寝ろという方が無理な話か」
これならもういっその事、このテンションで3日過ごしてしまった方がいいのでは、とさえ思う。
向こう帰ったあと、いろんな意味で死にそうだけどな。
ちなみに、俺は幽霊なせいか、食欲も睡眠欲も全くない。だから、このまま無休でいても大丈夫そうだ。
「コバルトさん、このまま行った方が良さそうだね」
「だろ?」
「俺も鉱達が来る前に仮眠してたから大丈夫だし。それならこのまま鉱のお母さんとおやっさんの所に行くか」
「……」
山岸の言葉に、俺は一瞬言葉に詰まった。いよいよ母さん達に会える。そう思った瞬間、胃が思い切り押されたように痛くなる。久々に感じたが、これは緊張しすぎた時に起こる胃痛だ。
「大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫」
仮に大丈夫じゃなくても、行かなければならない。やっと待ち望んだ母さん達との再開。この日の為に、どれだけ俺が頑張ったか分からない。ここまで来るともう向こうが俺の姿を見れるか見えないかはどちらでも良くなってきていた。
母さん、おやっさん、奥さん達の元気な姿を一目でいいから見たい。今の俺は、それが全てだった。
「なら、そろそろ行った方がいいかも。開店直後の方がおやっさんとかと話しやすいだろうし」
「そう、だな」
俺は数秒、目を閉じた後、ゆっくりと目を開け、少し叫ぶように言った。
「コバルト! おやっさんの店に行くぞ!!」
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