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冷たくなっていく母
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『お父さん、お母さん、ボク大きくなったらね!立派になって二人を幸せにしてあげるんだ!』
『おーそうか。彼方、お前ならきっと立派になるよ、大丈夫お父さんたちが…』
『お父さん?なんて言ったの?聞こえないよ?』
あれ…どこだろうお父さん?お母さん?
うーん二人とも迷子になっちゃったのかな。
仕方ないなぁ、
トコトコ歩き始めた。すごい遠くまできた気がする
でも子供の足だからそこまで遠くもないかも?
どこにいるのか、どこかにおいていかれたのか
まだ小さい俺にはわからなかった。
ふーーん♪ふーん♪あ!!ちょうちょだ!!
まって〜!!!あはははは!!あ!
おててに止まったの?
いい子だねぇ〜!えへへっ!
すると強い風が吹いたなんだろう、
あんまりわからない
なに?だれ?なんか通った?
あ!!ちょうちょまって!!
走り出したところで母親の声が響き渡った
『彼方!!!』
大きい音がして、僕はちょうちょより高く高く高く
飛んだ。でもお母さんは僕を抱きしめていて
離してくれない。何が起こったんだろう
地面に打ち付けられた時は痛くて痛くて
どうしたらいいか分からないほど
泣きじゃくっていた
うえーーーーん…痛いよぉお…お母さあーーん
うぇーー、うぅっ…う…痛いよぉ…
その時今考えたらおかしかった
母親が喋るはずない、即死だったはずなんだ
俺をかばって死んだはずなのに
『彼方…大丈…夫、大丈夫…よぉ…お母さんが…い、るからね…』
お母さん…ぐちゃぐちゃだよ?…なんで?
どうしたの?真っ赤だよ…?
『生き…て…■■■…っ…』
つ?なに?つってなに?ね、お母さん
『つ…よく…なって…わ…あいして、る』
お母さんはずっとずっと彼方のこと離さなかった
強くなって、私はお前を愛してるって
そう言った、そうだ、強くならないと
その後迷子になったお父さんに会えた。
でもその時はとお母さん冷たくて
もう何もかも捨ててしまったような、
心で繋がる何かがなくなってしまった
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