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こじらせた…
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「こ、ここが、先生の実家…?」
無駄に広い豪邸。どうやったらこうなるんだ
なんてツッコミを入れたい
仕事が大きくなったってそんなにでかいのかよ…
想像より遥か上を行くその家の門の前で
ゴクリと息を呑む、
や、ば…こんなの無理じゃん…
「ほら、行くぞ」
「おっ、おう」
先生に引っ張られて慌ててついて行く
その家は市街から遠く離れていて、山という山にあった
おそらくこの山は池羽家の所有地なんだろう
そこら辺にあるもの全て私物だとしたら…
これは
恐らく…
完全なボンボン…
遺産目当てなんて
思われたらどうしよう
母親と同じに思われたくねぇ…
そんなこと言ってる場合ではない、集中すべきはいまだ
ってか。土産を持ってこないなんてこの無礼者っ!
みたい怒られるのではないか…?途中でよれば良かった
あぁ、もう、
俺耐えられなくて殴ったりしたら終わりだぞ…
門から入ったのに、屋敷まで遠すぎて
気が遠くなりそうだ、なんでこんなに広いんだよ
「固くなりすぎ」
「る、るせぇよ」
「普通でいいから、いつもの彼方で」
「相手が人間なら大丈夫だ…」
いや。人間じゃなかったらニュースもんだけどな
落ち着け、落ち着け、心に念じて息を整え
いざ…参らん…!…ぐっ…
「おかえりなさいませ、恵様」
「ただいま」
「お連れ様も羽織りものを…」
「う、うす…」
正装した年のいったおじいさんが頭を下げて
礼儀正しく挨拶していく
ほ、本格的じゃねぇかぁぁぁあ…!!
ど。どう受け答えすれば
おどおどしてる暇もないくらいに心臓がバクバクとなって
もうどうしたらいいか分からない
奥の階段から降りてきた小さめの女の子達
は先生に向かって走ってきた
「お兄さま!!おかえりなさい!!」
「お、おかえり、」
「ただいま、いい子にしていたか?」
「はい!してましたの!」
「そうです…してましたしてましたー」
陽気で元気な女の子に、落ち着いていて静かな男の子は
先生が帰ってきたことが相当嬉しかったようだ
一人っ子の俺にはわからない世界だけど
なんだか暖かいんだな…なんて思った
男の子の方が俺を見るなり顔をしかめ睨んでくる
なんだよ、…やるか?
「お兄様…そこの男、誰?」
「俺の彼女」
「え…?、男なのに…?、」
「なにー!なになに!なんの話ー?」
怪訝そうな顔でこちらを向ける男の子に
なんとも言えない雰囲気になって目をそらした
流石にこればかりは何も言えない
男なのになんて言われるのは当たり前だ
わかってはいたけど。やはり
こころにささるものがある
仕方ないのだろうけど…
「結太、俺にも大切な人見つけたんだ。だから喜んでくれないかな」
「…うん、わかった…そこのあんた、良かったな」
喜んでるというより…言わされ…
なんて言ったら先生怒るだろうから言わないどこう
究極に俺嫌われたな…
まあ、いいか…どうせ俺は何も言い返せない
「さ、彼方親父に会いに行こう」
伸ばしてくる先生の手を振り払うと、
先生とびっくりして固まった
少し悪いことしたかななんて自覚はあったけど
色々考えすぎて感情コントロールが上手くいかないのだから仕方ない…という事にしておいてくれ
「じ、自分で歩ける、ほっといてくれ」
嬉しかったはずなのに気持ちとは裏腹に
余計なこと言ってしまう、そんなこと言いたかった
訳じゃないのに、
「…そう、行こう」
なんで否定しちゃったんだろう…
目の前のことしか見えてなくて気づいてなかったけど
やっぱ男同士手を繋ぐのはおかしい、そうだろ?
恋は盲目なんて、使い方間違ってるかもしれないけど
周りを見えてなかった。
結太…とかいう男の子が言ってから気づいたら
俺らの関係はおかしいのだ、それをもっとじかくしなければならない
そもそも…俺は求められてないのかも、
どうしてもマイナスにしかならなかった
情けないけど…泣きそうだった。
ぐっと唇をかんで俯いた
大きな扉の前、先生はノックして声をかける
「親父、恵だけど」
「おお。入りなさい」
了承の声を聞き届けると扉を開いた
書斎の部屋だろう、本が沢山あり
作業机がおいてあった、
その前には長方形型の長テーブルに
椅子が置かれている
雰囲気はとても良くて少しアンティークな感じだ
骨董が好きなのだろう、部屋には古びたインテリアが
置いてあった、
先生のお父さんはなんだか若々しくて
すごく頼りになりそうな人だった
髪型はほとんど先生に似ていたけど
顔はいまいち似ていない
先生の歳を考えると少し若い
お父さんなのではないだろうか
「おや?そちらのお客人は…」
「俺の彼女です」
にこやかだったお父さんも、
先生の一言で顔を歪めた
やっぱそうか…そうだよな…
「恵、お前の発言の重さはわかっているのか?」
「はい」
「恵が選ぶ相手は美形だな、私も感心するよ。まぁ、なんだ一応確認だが性別は?」
「あ…えと…男です。」
「…そうか」
ますます険しい顔をするお父さんは
俺を見るなり目を細めた
あ、泣きそう…いや、泣かないけど
やっぱ男じゃダメだよな…
「付き合うことはいいが、君は子供ができるのか?跡継ぎはどうする?私は恵を次期社長にしようと思っていた、そこで君に質問なんだが、恵のどこがいいのか」
「確かに子供はできません…俺だって産めるもんなら生んでやりたい、でも性別の壁あって、迷惑になると諦めたこともありました。でも…それでもこの人しかいないんです。そんなこと考えて諦めるほど大人じゃなくて…今回はお義父さんに反対される覚悟でここに来ました」
「恵さんは間違った道に進もうとしていた俺を正してくれました。俺にはかけがえのない人です。今更別れるなんてできません、それほど愛してます」
俺が言葉を選びながら
一生懸命話すと、静かに聞いてくれた
少しの間の沈黙が怖い
余計気を悪くしただろうか
いや、ここは素直に思ったことを言うべきなんだ、
ここで俺が言わないと
全てがなくなってしまう気がした
「それほどの覚悟だということか…恵、お前はどう思う。私は血の繋がらないお前を社長にしようと思うほど期待しているのだぞ?」
「私も彼方に異論はありません」
「…過去に1度もお前が私に頼み事をしに来たことは無かった。それが同性の恋愛と言うのだから可笑しいものだな」
「親父には沢山迷惑かけると思う、でも俺は結太に任せたい。親父と母さんの…子供だからさ」
先生はどういう立場なんだろう
お父さんは義理だと言うことだろう、
ならお母さんは再婚している…?
そこで生まれたのがあの双子の二人。
先生は結太くんに信頼を寄せてるように感じた
なら、社長候補を降りてまで弟に譲る先生にも納得がいく
お父さんは今にも怒鳴りそうな雰囲気になってきていて、正直覚悟はしていたにしても汗が止まらなかった。
「だーーっはっはっは、おもしろい、恵、お前は最高だ、父さんはお前を信じてたぞ?はっはっは」
「恥ずかしいことサラッと言わないでくれる?」
二人して笑い合うと。今までの緊張感が吹き飛んだ
おいおいおい、どういう事だよ、
待ってくれ、あれ?、なんの話してたんだっけ
まって、先生なんでそんなにやっぱりなみたいな顔してんの?俺には理解不能だぜ?
「彼方くん、恵をよろしく頼むよ。もう遅い今夜は泊まっていきなさい。」
「う、うっす…」
「あ、親父、」
「なんだい?」
「養子申請して、戸籍上親族にしたいのだけど…」
「それもそうだな!よし、田中さんに手配させるよ」
ははは〜
いや、ははは!じゃねぇよ!
お、おいおい、話の展開がポンポンいきすぎじゃないか?
作者お前めんどくさくなったろ?
俺の緊張かえせよ!
マジレスしちゃったし、てか、おれ
うわ、恥ずかしい事言った、
もう死んでもいわねぇ、
素直になろうと努力したらこれだ
本当に勘弁してくれよ
もうぜってえいわねぇ!!!
作者「あ…これは…こじらせたな…」
その日は彼方は機嫌が悪かったです?
作者ばりくそ怒られてしまいました…
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