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聞かれてしまった
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晩餐に出された料理は美味かった
コース制になっていて、食べ終わる頃に次の品がきた
彼方自身は体験したことがなかったから
なれない作業に戸惑いはしたが決して苦ではなかった
美味しかったなぁ…
「彼方、楽しかった?」
「あ、うん」
「良かった、明日はちゃんとしたデートして帰ろう」
なんだかいつもより優しい気がした
お酒入ってるからだろうか、
俺も早く飲みたいなぁ
先生と一緒に飲むのが密かに夢でもあった。
「彼方くん、部屋たくさんあるのだけど、今日は恵の部屋で泊まっていってくれないかい?」
「え…と…あの」
「すまないね、客室の電気が故障していてな、ほぼ使ってなかったから変えなきゃいけないんだ」
先生のお父さんが申し訳なさそうに
謝ってくるのを見て、仕方ないか…と諦めた
今まで一緒に寝てたりしたこともあるし
何かと不便があるかと言われたら
何も無かった、だからまぁいいか、と思って
何も考えずに承諾してしまう
「まぁ仕方ないね」
「うん、そうだな」
お風呂が部屋に備え付けられていてびっくりしたけど
遠慮することなく入れたしまぁ良かったと思う
もう家賃とって誰か住まわせてもいい
お風呂も上がりぽかぽかして
お腹もいっぱいで久しぶりに眠たくなった
大きな布団に備え付けのライトがオレンジがかって
暖かい色に落ち着く
布団…先生の匂いする
落ち着く匂い
風呂から水の音が聞こえて
すごくそれが心地いい
あー、眠たい
意識が遠のくような気がした
もう眠たくてそれどころでもないはずなのに
胸のあたりが苦しい気がした
んー、重たい
なんだ…?
「先生…?」
呼びかけるけど返事もなくて
抱き枕?になってる
髪濡れてるし…乾かさないと風邪ひくし
あとついて寝癖になるだろ
「おい、先生、起きろって」
「…」
寝てるのか…なんかいろんな顔を見れた気がする
初めは嫌々出てきたけど、なんだかんだ
楽しかった。明日はデートだっていうし
正直どこに行くのか楽しみな自分もいた
本当に俺変わったな…
あんなに周りに当たり散らしてたのに
こんな丸くなって、
マジで先生って何者なんだ
なんて思うことも多々あった
そっか…この人に合わなかったら
今頃1人でぼーっとしてたんだろうな
人も殺してたりして…そしたら少年院はいって
そのまま刑務所かなぁ
自殺してたりして…なんちゃって…
「ほんとに…あんたに会わなかったらあの広い部屋に1人だった。いつまでも輝にお守りさせるわけにも行けないと思ってたし…本当に良かった」
そっと頭に手を乗っけて温もりを感じた
温かさが凄く安心した
ここにいるって感じたからか
全てがかけがえのないものだった
「俺あんたにあってからすっげー変わった…多分あんただから変えられたんだろうな…土足で俺に踏み込んで、グチャグチャにして…あんたの我儘さにはお手上げだよ。でも、そんなダメな俺をちゃんと見つめてくれて…あんがとな…って寝てるやつに語ってもしゃーないな…」
はは…何言ってんだろ…本当に
俺に抱きついて離れないし
呼んでも起きない
本当に寝たら何もできないから
ほっとくしかない。
しょうがない人だな
俺も寝よう、ぼやける視界と
夢に誘い込む睡魔に身を任せて目を閉じる
「俺もだよ、愛してる」
夢だな、そう言われたいからって
妄想は良くない。夢精したりと俺は黒歴史が
多すぎる、もう考えないようにしよう
「好き…」
ぎゅっと抱きしめる力が強い、あれ、夢ってこんなにリアルに感覚あるっけ?うそ…
また、夢精するつもり?やめて欲しい
ぎゅっと抱いてた力も弱くなり、
ベットが揺れて目を開いた
先生は俺を見下ろすように見ていて
その目から逃れたくても、背けられない
夢じゃない…?
「彼方は?」
「は…今の…聞いて…っ」
「ねぇ。質問に答えて」
「そんなの言われなくてもわかんだろ」
「わかんない」
子供みたいに俺を見つめては
目を潤ませてこちらを見た
あぁ、これはあざとい担任の先生の顔だ
でも学校とは違う
何が違うかって言えば…そうだな
心のある表情だ
目が生きている…なんて言ったらおかしいのか
はぁ…こうやって甘えられるとなんだかな…
「好きだってば」
先生の頭をグイッと胸に引き寄せて
顔を見せないようにそのまま押さえ込んだ
こんな顔見られた時にはもう俺死ねる自信がある
顔も合わせられなくなるだろう
本当にそれぐらい恥ずかしかった
「できるなら…」
「あ…?」
言いかけてやめた先生に、聞き返す
何が言いたいのかわからないけど
俺を上にして横に転がった
彼方を抱きしめると恵自身もほっと息を吐いた
「できるなら俺の赤ちゃん産んでやりたいって」
「は…ちがっ…あれは」
「でも性別の壁があるからそれはできない」
「や、だからっ!」
「俺は今更別れるなんてできない。俺を愛してるから」
「…」
それはお昼にお父さんと話した内容だった
今考えるとストレートに言いすぎたと
あとから反省はしていたが
こうやって言われると余計恥ずかしい
もう、どうしよう…
「俺も今更…彼方を手放せない」
「知るかよ…」
「彼方が卒業したら…それからでいい。俺彼方としたい」
し…たい?それは情事のことか?
俺が…先生と…?
もしかして入れられる…んだよな?
体格差的に俺…抱かれる方のようだ
…入れる…
嫌なことが脳裏をよぎった
吐き気がして今にも戻しそうになる
でも耐えなきゃ…せっかく美味しいご飯食べたのに
もったいない…
卒業まであと1年半くらいか
今が2年生の秋近く。
あっという間だろう、それまでに俺が
あの壁を乗り越えなきゃいけないのかと思うと
俺に出来るのかと絶望的だった
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