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進路
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苗字が変わるのか、なんて考えていると
名前と苗字が合わなくて少し気分が落ちた
別になんとも思ってないけど、どうせ養子になんて入れないし、ましてや教師と教え子なんだし、!
傷つかなかったといえば嘘になる
いや、勝手に落ち込んだだけなんだけど。
池羽彼方なんて文字数も合わないし
どう読んでも変だ…正直ショックだ、
別に先生の苗字を恨んでるわけではないけど…
いや、ネチネチ考えてる場合ではない
女子か!なんて突っ込まれて終わるやつだ
もう考えないようにしよう。
そうだ、それがいい、
そうだよ!養子に入ったとしても、苗字はそのまま使えばいい話だ。簡単じゃないか
…結局気にしてるのだからもう救いようがない
いや、気になっても仕方ないのだ
俺にとって一大事なんだ!
「彼方!聞いてんの?」
「へ、あ、ごめんなに?」
もーっと怒りながらちゃんと聞けよなーなんてふてくされてる。いや、ごめんて…
「だからさぁ…」
「おー…」
「お前進路どうすんの?もう流石に決めないと冬だぞ?」
確かにもう葉っぱが落ちてきていた。
普段通り過ごしていたからなんも気づかなかった。
何気ない毎日、何気ない日々。
なんの代わりもないのだから
時間なんて気にもしてなかったけど。
夏休みも、お互い忙しかったから
先生とも合わなかったし、恋人らしいことって言えば
この前のでーとぐらい。
いや、別に恋人らしいことを期待してるわけじゃないけど
なんだかもう、老夫婦みたいになったんだよな。
お茶飲んで、ご飯食って、寝て、買い物行って
当たり前のことを一緒にしてるだけ
それが平和でもうなれてしまったのだけれど
はじめの頃なんてなんも考えられなかったんだから
頭真っ白でドキドキして緊張して。
ワタワタしてるだけ。
それに比べたら慣れって怖いなぁって思う
今の生活に不満がある訳でもないけど
俺が卒業したらどうなっちゃうんだろう
まぁ適度にあって適当にすんだろうけど
もし俺が市外に働くってなったら
やっぱもうあまり会えなくなるだろうな
進路…か
ほんと俺…どうしよう
「まだ決めてねぇわ」
「はぁ?やべーじゃん」
「そういう中川もかなの事言えないじゃん、決まってないし」
「う、うるせぇ」
あははっと笑いあって
腹抱えながらさ、
笑いすぎて中川飲んでたコーヒー牛乳鼻から出すし
もうずっとこのままだったらいいのに。なんて思った
やっぱまだ決めらんね
まだ…今のこの生活に甘えてもいいかなぁ。
終わる日が来るまで
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