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初日。
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「2-A担任、伊織朔です。今日から一年間よろしくね。いーちゃん先生って呼んで。担当科目は英語。質問ある?」
僕は、最悪なことに教卓の真ん前の席になった。"あ"がつく苗字が目の前には、6人ほどいたのだ。一番前でそれに、教卓の前...。それは僕の気分を沈めさせるのに充分なことだった。
目の前のいーちゃん先生は薄気味悪い笑顔らしきものを顔に貼り付けて淡々と質疑応答していく。
隣の女子も後ろの男子もメロメロらしく、目をハートにしたようにして見つめていた。
「後、聞きたいことあったら話しかけて。順番に聞いてやるからなー。」
手早くHRを終わらせて颯爽と教室を出ていくいーちゃん先生を見つめて、廊下へと出て目線で追うとすぐさま隣の教室の人や教員、3年生にも囲まれていた。大半は女子。
「モテ男は辛いねぇ。」
ちー が僕の机に伏して廊下から聞こえる黄色い声から背けるように耳を塞ぐ。いーちゃん先生ファンじゃない僕達からしたらうるさいことその上ない。
「なぁ、あーちゃん...今日も行くのか。」
アオがそう指すのは、僕のバイト先。
バイトって言っても、高校生がするようなもんじゃない。俗に言う風俗店というか...ゲイバーというか。
「別に大丈夫だってば、ヤる訳じゃないんだから。」
「処女奪われそうになったらアソコ蹴って逃げること!わかった?」
適当にこくこく頷いておく。
中学生の頃からゲイバーで働いていた。
自分がホモであることに気がついたのはいつだっけ。それを知ってるのは、アオとちーだけ。
「てか、次の授業の準備しないと。次、数学だよ。初日から数学ありとかきついよね。」
そんな他愛ない話をして各々が席についた。
そのすぐあとに数学の教師らしき人が入ってきて、眠い眠い数学の授業が始まる。つまらないと思いながらそぉっと左隣のジュリアンヌと小声でお話をした。それも他愛ない話。
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