アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
不器用
-
いつ見ても先生の部屋は余計なものが何も無い。生活感が全然ないというか。そんな感じ。
先生はテキパキと手際よく料理を......
「先生、見た目によらず不器用ですね。」
オロオロとしながら料理を作っている先生に意外性を感じた。見てられないと思って先生の隣に立つと、客だから座ってろって何回も戻されるけど、先生料理とかできないですよね?というと、うぐっと図星をつかれて口を閉ざした。
「おぉ...阿久津、凄いわ。」
簡単に、肉じゃがと豚汁を作り終える。材料があれば特に問題なしですぐ作れるところが取り柄。周りは、女子みたいとか、きもいとか、認められる事は一度もなかったけど。
「普通、ですよ。」
「はぁ?俺できないんだけど...!凄いよ。」
「慣れ。」
「ちょっとムカッてきた。」
先生が子供っぽく見えてクスクス笑うと、先生がもっと拗ねてそれをずっと楽しんでいた。先生のこんなにコロコロと変わる表情初めて見た。"笑顔"も初めて。
それに褒められたのなんか初めてで、小っ恥ずかしかった。
少し先生の部屋で寛いでいるとあっという間に帰りの時間になった。最初のイメージは薄っぺら。
今は、面白い人。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 11