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「………」
名刺を持ったまま、僕は布団に横たわっていた
あの後凌が数人の後輩を連れて来て
いつもの様な飲み会が行われた
解散してから僕は
凌と少し言葉を交わす
相変わらず凌は僕を気にかけてくれていて
僕の生活に不自由はないか、変わった事はないかと聞いてきた
だけど僕は、シンに言われた事を話せなかった
僕が芸能プロデューサーと会う、なんて…
誰が想像できるというのだろう…
僕とはあまりにかけ離れた世界
あのキラキラした世界に
僕が身を置いてしまったら
溶けて消えてしまうんじゃないか……
起き上がると、持っていた名刺をゴミ箱へ捨てようとする
『女子高生を中心に注目を浴びている、黒咲アゲハさんです!』
テレビから女性アナウンサーの声がした
……アゲ、ハ?
驚いて手が止まる
落とされなかった名刺は、それでも僕の指に逃れまいと張り付いていた
僕はテレビを見た
そこには、きらびやかな衣装を着た
アゲハが映っていた……
あの夜
僕が太一達に強姦された日の夜
アゲハが夜の街を
キラキラと輝いて歩いていた…
アゲハは
夜の街を離れ
更に輝く世界へと舞い飛んでいる
だけど
僕はまだ
汚れた川に流されたままだ…
「………」
僕はまだ手にあった名刺に目を落とした
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