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一度川に落ちたさくらの花びらは
もう流されるしかないのか…
もしそれを掬って
愛でる人がいるとするなら
僕はアゲハの様に自由に舞えなくてもいい……
多分僕は
アゲハのいる世界に
自分でも行けるのだという事を
アゲハに見せつけたかったのかもしれない
名刺に書かれた番号に電話をし
プロデューサーに会う事が決まった
意外にも落ち合う場所はファミレスで
僕は少し不安を感じていた
「…さくらくん?」
ドリンクバーだけでやり過ごしていた、僕の目の前の席に誰かが座った
「……え」
「森崎です」
細い体つき、明るく黄色に近い短髪、顎には無精髭、細い狐目…
プロデューサーとなると、ビシッとスーツを着たイメージだったが
予想に反してチャラい容姿だった
「…うん、シンが言うだけあるわ」
「………」
僕が言葉を失っていると、森崎は僕に手を伸ばしてきた
その手は容赦なく僕の顎に触れる
「…うん、合格!」
森崎は僕を左右に向かせて僕の顔をまじまじと見つめた後、そう言った
「え…」
「つー事で、今から撮影するから」
森崎は席に落ち着く間もなく立ち上がる
「……え、
ちょっと待って下さい
撮影って……」
「ん?」
手を取られて引っ張られた僕が抵抗すると、森崎は不思議そうな顔をした
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