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「さくら、ちゃんと聞いて!
キミがいなくなった後
メモ用紙にあった番号に電話を掛けたんだ
…僕は電話の相手がハイジだと思ってた…
それなら、仕方がないと諦めようとも思ったよ
でも、知らない奴だった
問い詰めたら、元セックスフレンドの…
さくらも知ってるだろ…そいつの兄で…
一方的に別れて弟を傷つけたって、因縁つけてきた」
ハルオは僕から体を離すと、僕の二の腕を掴んだまま一気に捲し立てた
「だから、僕の大事なさくらを傷つけるかもしれない」
思い詰めた様な顔をして
必死に僕に訴えてくる
「………」
ここまでハルオが壊れているとは思わなかった
僕がいなくなったら
自殺してしまうのではないか、とは思ってた
けど、僕の居場所を突き止めて
僕の行動を監視してたんだろう…
一体いつから?
「凌さんは、そんな人じゃないよ……」
傷つけようと思えば
もうとっくに傷つけている
ハルオは酷く傷ついた顔を見せた
僕の二の腕を掴んだ手に力が入る
「さくら、あいつは……」
「…僕は一度だって
身売りなんかしてないよ」
「……」
「ハルオ、ごめん
僕はハルオと一緒に暮らせない」
ハルオの顔がくしゃりと歪み
閉じた瞳から、大粒の涙がボロボロと落ちた
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