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キスマークの事や
その理由も
教師はそれ以上何も言わなかった
ただ、漂うコーヒーの香りに包まれ
教師の掴み所のない雰囲気も手伝って
僕は何となく居心地の悪さから解放されていた
教師はそれ以上口を開く事はなく
僕もそれ以上話す事もなかった
家に帰ると
玄関先にシンが立っていた
シンは僕の姿を捕らえると、僕に向き直った
「森崎さんにお会いしたそうですね」
相変わらず、笑顔を見せるが目の奥が笑っていない
「でも、それをお断りしたとか」
「………」
「お会いする、という事は
少なからず芸能界に興味があったのでしょう?
先方もそのつもりでお会いした筈です」
淡々とシンは言った
「ひとつの作品を作るのに、沢山の人が動きます
期限というものもあるのです
貴方の単なる気まぐれで、森崎さんは振り回された訳です」
「………」
「ここまで言って、まだ責任を感じませんか?」
言葉にはしなくても
心にズシッと重みを感じてる
僕がアゲハを意識してしまった事で、迷惑をかけてしまった……
僕が俯くと、シンは僕の頭上から更に言葉を投げ掛けた
「もし少しでも罪悪感があるなら、その責任をとって貰いますよ」
「………」
「簡単です
今夜、ホテルの一室で森崎さんが主催するパーティがあります
そこに顔を出すだけで結構です」
声質は優しいのに、どこか冷酷さを感じる
僕が何も言わないと、僕の視界に一枚の紙を持ったシンの手が現れた
その紙には、ホテル名と部屋番号が書かれていた
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